【レビュー】『悲夢』、幻想と愛の鎮魂歌

2008/10/06 09:12

 この映画は、キム・ギドク監督の愛に対する悲しいレクイエム(鎮魂歌)だ。キム・ギドク監督15本目の映画『悲夢』(10月9日公開)は時に激しく、また時に静かに愛の限界を歌う。監督の映画人生で一つのターニングポイントとして評価されている『うつせみ』(2004)以来、最も幻想的で省察的な「ざんげ録」だ。  ここに、夢を見る男と、その夢を実行する女がいる。不思議なことに、ジン(オダギリジョー)の夢はラン..

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