【レビュー】『千年鶴』パンソリ師に育てられた姉弟のかなわぬ愛

2007/04/15 09:49

 全羅道長興の曲がりくねった道がスクリーンいっぱいに広がり、爪ほどの大きさのバスがその狭い道を走る。まるで空の下に存在するあらゆるものを1つの画面にすべて収めようとするかのように、上から見下ろした俯瞰(ふかん)図に描き出した『千年鶴』の冒頭のシーンだ。人生の一部分ではなく、一生のすべてを描こうという巨匠イム・グォンテク監督の野心を象徴的に表すシーンだ。

 『千年鶴』は『風の丘を越えて』(原題『西便制..

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