彼女はアリ一匹を殺す毒気もなさそうだ。下半期最大の期待作である『親切なグムジャさん』(朴賛郁(パク・ チャヌク)監督)で「韓国映画史上、最も独自の女性キャラクター」と言っても過言ではないイ・グムジャ役を熱演した李英愛(イ・ヨンエ)。
21日、インタビューの終始、真っ赤な唇で少しずつ話す彼女の清楚な顔からは、表情一つ変えずに殺人を犯す「魔女イ・グムジャ」の姿を見付けるのは難しかった。確かに映画..
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彼女はアリ一匹を殺す毒気もなさそうだ。下半期最大の期待作である『親切なグムジャさん』(朴賛郁(パク・ チャヌク)監督)で「韓国映画史上、最も独自の女性キャラクター」と言っても過言ではないイ・グムジャ役を熱演した李英愛(イ・ヨンエ)。
21日、インタビューの終始、真っ赤な唇で少しずつ話す彼女の清楚な顔からは、表情一つ変えずに殺人を犯す「魔女イ・グムジャ」の姿を見付けるのは難しかった。確かに映画の中では男性顔負けの罵声を上品に吐き、人を殺した直後にも笑顔でいた彼女だったのだが…。
「私自身が出演を望んだ映画だったし、役柄でもありました。実際にアクションを演じてみて俳優がアクションを好む理由が分かりました。監督も私が毒々しいと言います。銃を撃つ時、男性でも緊張するのに私はびくともしなかったと…」
親切なのか毒々しいのか分からないが、真面目なことだけは事実のようだった。 彼女は自分についての数年前の記事も憶えていたし、今回のインタビュー中にも手帳を取り出してメモをしていた。「何でもすんなりいくような性格ではありません。血液型がAB型ですが、B型よりもA型の血の方が濃いようです。一度のインタビューでもエネルギーをたくさん消耗するようです。そうしたことも芸能生活をしながら徐々に適応できるようになりました。以前は人見知りもして気持ち悪いからと鶏肉も食べられませんでしたが…」
デビューしてから13年。多くのスターが人気と共に当初のイメージが薄れていくが、李英愛はデビュー当時の「酸素のような女性」というイメージを今でも守っている数少ない女優だ。美しい家、清楚なルックス、女優としてのステイタス…、すべてが他人にとっては憧れだが、李英愛にとってはいたって自然のことなのだ。
「最近、出演したトーク番組で観客から『一日に何食を食べるか?』か聞かれました。こんなにもイメージのギャップが大きいとは思っていなかったので驚きました。一時は朝の番組の司会もやったし、ドキュメンタリー番組でも紹介されたことがあるのに、なぜここまでイメージにギャップがあるのかが分かりません」
「ダイエットをして綺麗になったらサムスンではありません」と言ったキム・ソナが最高の人気を博している最近、「太って悪人になったら李英愛ではありません」といった本人のイメージのためではないかと聞いた。すると「殺人犯のグムジャでさえ演じたのに、太ることが出来ないわけがありません」という答えが返ってきた。「清楚なイメージがあるのは分かります。でも本当にもし私が清楚な人間なら、そう思ってくれたらと思います。そのうち自然と分かることですから。世間が本当に恐ろしくなりました。元々感情を抑える方でしたが、最近はそうではありません」
人と会うよりも一人で家にいることが多いが、時にはカラオケで紫雨林やローラーコースターの歌を全身で歌うことでストレスを発散しているという李英愛。大声で怒ることは出来ないが、撮影現場では崔岷植(チェ・ ミンシク)が「恐ろしい」と言うほどに「もう一回!」と大声で撮り直しを要求したという彼女は果たして、清楚なのか?親切なのか?毒々しいのか?
確かなことは、どんなに酷いことをしても優しそうに見える李英愛でなかったら映画『親切なグムジャさん』がまったく退屈なものになったのは事実だろう。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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