待ち合わせ場所のホテルのロビーに、パティ・キムさんが現れた。紫がかった紺のツーピースに青いシャツという姿だった。
周囲の目を意識しているのが明らかな、堂々とした歩き方をしていた。真直ぐな姿勢と若い女性に引けを取らないスタイルは、60代の女性が見せることができる美しさの最大値を見るようだった。
そんな彼女が今年でデビュー45周年を迎える。先日、雨の中にもかかわらず4万5000人を熱狂させた..
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待ち合わせ場所のホテルのロビーに、パティ・キムさんが現れた。紫がかった紺のツーピースに青いシャツという姿だった。
周囲の目を意識しているのが明らかな、堂々とした歩き方をしていた。真直ぐな姿勢と若い女性に引けを取らないスタイルは、60代の女性が見せることができる美しさの最大値を見るようだった。
そんな彼女が今年でデビュー45周年を迎える。先日、雨の中にもかかわらず4万5000人を熱狂させた趙容弼(チョー・ヨンピル)より10年も多いキャリアだ。これを記念した公演が11日、全州(チョンジュ)を皮切りに全国11都市を回って行われる。
世宗(セジョン)文化会館で開かれるソウル公演は、来年3月に予定されている。彼女は「最近、とても忙しくて楽しい」と語った。
パティ・キムさんは高校を卒業した翌年の1959年、米8軍の舞台で歌手デビューした。その年の秋、本名(金ヘジャ)に代わってパティという名前を自ら付けた。
「歌手になって間もない頃、『私は一生、歌を歌って生きる』って思いました。そうするためには、簡単に覚えられる名前が必要だった。歌手のパティ・ペイジから名前を取りました。もしパティじゃなかったら、リタ・キム(リタ・ヘイワード)やエヴァ・キム(エヴァ・ガードナー)になっていたかも知れません」
その名前は未だ彼女を「海外に住み、時々公演にやってくる歌手」という誤解を招く原因になっている。しかし、彼女は外国国籍を取得したこともなく、89年からソウルに住んでいる。
60年代に米国のテレビ番組「ジャニー・カーソンショー」に出演、78年に大衆歌手として初めて世宗文化会館での公演、89年には韓国人歌手として初の米国カーネギーホールでの公演…。
どの歌手よりも華々しい軌跡を残してきたパティ・キムさんには、度々“滔々”や“堂々”といった修飾語が付きまとった。「私はとても残酷な位に自分自身を鍛え磨いてきました。45年間、トップの座を維持するために、どれほど痛い鞭を打ち続けてきたか、他の人には絶対に想像もできないでしょう」
彼女は「酒、タバコ、徹夜など、音楽生活に差し支えることはまったくしなかった」と語った。そして、必ず一日8時間は睡眠を取ると言う。
「私は助言してくれる人が一人もいなくて一人ですべてのことを判断しながら生きてきました…」
しばらく間を置いた彼女が言葉を続けた。「だからでしょうか、とても寂しく孤独な毎日でした」。結局“滔々”や“堂々”といった言葉は、“孤独”の裏返しだったのだ。
キムさんにとって運動は、とても重要な日課のひとつだ。運動の話が出ると、キムさんの瞳が輝きだした。「朝には南(ナム)山で5キロくらい歩くんですが、1時間もかかりません。早い方なんです。午後はフィットネスセンターで1キロほど泳ぎます。25分くらいかかりますね」
キムさんは60年代末にゴルフを始めたが、「7年ほどやって止めてしまった」という。「ボールを打とうとすると、みんな私を見つめるんですよ。運動どころかストレスが溜まってしまって…。何よりも運動は汗をたっぷり流さなきゃならないのに、ゴルフではそれができませんからね」
今年の初めは右目の網膜の手術を受けた。「服を縫うように網膜を縫ってもらった」という。「だから、悲しいことに、最近は長時間本を読むことができないんです」とした。
そんなキムさんの45周年舞台は、ごくシンプルに構成されるという。キムさんは「視線を歌手一人に集中させるため」派手な舞台装置を避けている。
今回は『南行列車』、『虚空』、『ハンオベクニョン』など、他の歌手の歌もカバーする予定だ。
「『ハンオベクニョン』は以前からよく歌っていたんですよ。ところがある日、“ヨンピル”(趙容弼(チョー・ヨンピル)のこと)がこの歌をとても上手に歌うじゃありませんか。だから『じゃあ、この歌はあなたが歌ってよ』と、諦めたんです」
キムさんは年末にはゴスペルアルバムをリリースする。「母が生前あれほど教会へ誘ってくれたのに、一度も一緒に行かなかったんです。来年が25周忌になるので、ゴスペルを歌って親不孝を少しでも許してもらえればと思いまして」
キムさんは、「5年後の50周年公演を最後に引退するつもり」とし、「韓国のポップス史に、『パティ・キムは本当に歌の上手な歌手だった』と記録されるのが夢」とした。
最後に、キムさんはこのように話した。「この大変な芸能界で、45年間も自分の位置を守れたんですもの。感無量です。パティ、本当に誇らしいわ」。
公演の問い合わせ:(02)783-0114、www.iyescom.com
韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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