朴ユア(41)さんの設置作品展『通過意識』が24日まで開かれているソウル寛勳(クァンフン)洞の仁寺(インサ)アートセンター地下にあるショールームは、会場全体が小さな古墳を連想させる。作家は黒と濃い灰色のチョンドル(土で焼いた石)でフロアと壁を覆った4.5メートル×15メートルの空間を作った。スリッパに履き替えて観覧するようになっている作品内部は、棺が置かれた古墳の内部に似ている。
観覧客は墓..
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朴ユア(41)さんの設置作品展『通過意識』が24日まで開かれているソウル寛勳(クァンフン)洞の仁寺(インサ)アートセンター地下にあるショールームは、会場全体が小さな古墳を連想させる。作家は黒と濃い灰色のチョンドル(土で焼いた石)でフロアと壁を覆った4.5メートル×15メートルの空間を作った。スリッパに履き替えて観覧するようになっている作品内部は、棺が置かれた古墳の内部に似ている。
観覧客は墓のような作品の中でしばらく死について考えさせられる。しかし“誕生”や“結婚”、“出産”などとは異なり“死”に“通過”というタイトルを付けたのは一見、矛盾していないか。
「よく死は人生の終着駅だと思われているようですが、実際に聞いてみると宗教に関係なく『次の人生を準備する期間』くらいに思っている人が多いんです。そうした考えを美術で表現してみました」
朴さんは、観覧客らが作品を通じて死を考え、通過することができるよう製作した。かすかな照明がフロアからライトアップする古墳の中には、人の背の高さ(1.8メートル)ほどの手作りの韓紙(韓国伝統紙)29枚が天井に飾られ、人が通る度に少しずつ揺れて「かさっ」という音を出す演出を施している。
フロアに敷かれたチョンドルには割れた部分もあり、デコボコとしていて歩きづらい。誰も経験したことのない死後の世界を想像させるための仕掛けだ。
朴さんは「死を宗教的な意味だけで解釈したり、避けるよりは、一度正面から向き合ってみようという意味で製作した作品」と語った。朴さんは梨花(イファ)女子大学東洋画科、大学院で学び、最近では設置作品を発表し続けている。昨年行われた京畿(キョンギ)道陶磁器エキスポでは、妊婦の姿をした大型の窯作品を披露した。
金翰秀(キム・ハンス)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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