韓国で「国民俳優」と呼ばれているアン・ソンギさん(70)が血液のがんと闘っていることが分かった。 15日にソウル市内の映画館「CGV狎鴎亭」で行われた「ペ・チャンホ監督デビュー40周年特別展」の開幕式に出席したアン・ソンギさんはかつらをかぶり、声に力がなく、体を支えてもらう様子を見せて周囲を心配させた。今夏公開の出演映画『閑山:龍の出現』のプロモーション映像とは全く違う姿だった。

写真左は15日「ペ・チャンホ監督デビュー40周年特別展」の開幕式に出席したアン・ソンギさん。右は映画『使者』のメディア試写会(2019年7月22日撮影)当時の様子。

 ペ・チャンホ監督特別展の開幕作は映画『コバン村の人々』(1982年)。主演俳優のアン・ソンギさんは上映前、主演女優キム・ボヨンさんに支えられてステージに上がった。ペ・チャンホ監督は16日、「アン・ソンギさんは、開幕式で私のデビュー作『コバン村の人々』を紹介してくださった時、『40年ぶりにこの映画を見ることができて胸が躍る』と言ってくださったが、少し言葉が滑らかでなかった」「しかし、健康に関する質問はデリケートなことなので、できなかった」と語った。アン・ソンギさんは15日、最後まで映画を鑑賞することができず、先に退場した。 アン・ソンギさんは16日午後、本紙の電話取材に「血液のがんを発症して1年以上にわたり闘病している」「抗がん剤治療を受け、最近は健康状態が少し良くなってきたので外出できた」と語った。「国民俳優」を苦しめる病魔が確認されたのは初めてのことだ。アン・ソンギさんは「かつらを脱いだら(抗がん剤治療をしているため)髪がない」と告白した。 そして、「今年5月の女優カン・スヨンさんの葬儀の時も(抗がん剤治療を受けていたため)行くのが遅かった。今は健康状態が良くなった。『閑山』の舞台あいさつは髪がこのような状態なので行けなかった」と笑った。 アン・ソンギさんは1957年に映画『黄昏列車』でデビューした。子役として約70作品、成人後も約90作品など、出演作は合計約160作品にも上る。『風吹く良き日』『ディープ・ブルー・ナイト』『鯨とり コレサニャン』『ツー・コップス』『シルミド/SILMIDO』『ラジオスター』…。韓国映画界の大黒柱と言っていいアン・ソンギさんは2016年のインタビューで「60年たっても演技が嫌になるどころか、いつも新鮮」「長年愛されてきたことに感謝し、これからやって来る毎日も楽しみだ。映画はいつも新しい世界、新しい人物との出会い」と語った。 アン・ソンギさんは2020年10月10日に十数日間入院治療を受け、体調異変説が浮上していた。昨年4月の映画『息子の名前で』の記者懇談会では「体のケアをきちんとしている」と言っていたが、かなりやせていた。「国民俳優」は16日の電話取材で「この頭で仕事をすることはできない。もっと健康な姿になって戻ってくる」と語った。朴敦圭(パク・トンギュ)記者朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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