K-POPアイドルグループに対する国連のラブコールが相次いでいる。K-POPグループが国連会議の演説者や広報大使として続々と招待されているのだ。 5日(現地時間)、米ニューヨーク国連本部総会会議場で行われた「2022持続可能な開発に関する国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)」の演壇に、SMエンターテインメント所属の女性アイドルグループaespa(エスパ)のメンバーたち(ウィンター、ジゼル、カリナ、ニンニン)が立った。「メタバース(インターネット上の仮想空間)ガールズグループ」と自己紹介したaespaのメンバーたちは「持続可能な地球の生態系のために努力しなければならない」と約2分間にわたり英語で国連の「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals=SDGs)」の価値を演説した。そして、自分たちのヒット曲『Next Level(ネクスト・レベル)』のライブ映像も流した。

5日(現地時間)、米ニューヨークの国連本部総会会議場で開催された「2022持続可能な開発に関する国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)」に出席して演説する女性アイドルグループaespa(エスパ)のメンバーたち。写真提供=SMエンターテインメント

 国連がK-POPアイドルを総会会議場に招待したのはこれでもう4回目だ。HYBE(ハイブ)=旧:Big Hit Entertainment(ビッグヒット・エンターテインメント)=所属の男性アイドルグループ「BTS(防弾少年団)」は、2018年・2020年・2021年の3回にわたり国連総会会議のプログラムに招待され、演説者として壇上に立った。昨年はYGエンターテインメント所属の4人組女性アイドルグループBLACKPINK(ブラックピンク)が演説者ではないが、アジアの国の歌手として初めて国連SDGs広報大使に任命された。 これまで国連総会で演説した世界的スターとしては、2014年のハリウッド俳優レオナルド・ディカプリオやエマ・ワトソン、2016年の米国の有名歌手スティービー・ワンダーなどがいる。だが、アジア圏の歌手が演説者に選ばれたのは、2018年のBTSが初めてで、その後もK-POPアイドルたちが主に選ばれているのだ。 国連が特にK-POPアイドルに関心を持っているのは、ファンたちのとてつもない波及力を経験しているからだ。BTSが昨年、韓国語で約7分間演説した第76回国連総会「2021 SDGsモーメント」の動画共有サイト「ユーチューブ」中継動画リアルタイム視聴者は約98万人だった。この演説直後、BTSがヒット曲『Permission to Dance(パーミッション・トゥ・ダンス)』を歌った姿が写っているユーチューブ動画は7日現在、再生回数が6939万回に達している。この演説直後は特にBTSのファンクラブ「ARMY(アーミー)」のメンバーたちによる「ワクチンを接種した(ARMYvaccinatedtoo)」というハッシュタグが数十万件投稿された。演説中、BTSが「ファンに会うために僕たちも全員ワクチンを接種した」と語ったからだった。この時、アントニオ・グテーレス国連事務総長が韓国大統領府に「私が演説しても(BTSのような)波及効果はなかっただろう」と感謝の言葉を送った。

国連総会に若者世代代表として出席した男性アイドルグループBTS(防弾少年団)。写真=BTS公式ツイッターより

 K-POPファンたちの声は、国連が追求する人種差別と貧困の撤廃、ジェンダー平等といった社会的メッセージと一致するという点も大きい。2020年の黒人人権運動「ブラック・ライブズ・マター」のためのハッシュタグ運動や寄付活動を積極的に展開したARMYたちや、ほかの歌手のファンたちと一緒にペルー民主化デモ隊支持とテロ反対運動を繰り広げたBLACKPINKのファンクラブ「Blink(ブリンク)」などが代表的な例だ。米週刊誌タイムや米日刊紙ニューヨーク・タイムズなど米国の有力メディアはこうした活動を「K-POP行動主義」と命名した。 これらのK-POP行動主義が国連傘下基金に実質的に役に立っている例もある。2017年、ARMYたちは児童・青少年暴力根絶のための募金キャンペーン「love your self(ラブ・ユアセルフ)」を展開した。これを通じて、1年間に約18億ウォン(約1億9000万円)が国連児童基金(ユニセフ)に寄付された。このキャンペーン専用に販売されたBTSグッズをARMYたちが買ったり、キャンペーン公式サイトを通じて寄付したりして集まった約7億ウォン(約7300万円)と、BTSと所属事務所側がアルバム売上収益の一部などを出した11億ウォン(約1億1500万円)を合わせた寄付金だった。2018年にBTSが初めて国連演説者として壇上に立った時、「Speak Yourself(あなた自身のことを語って)」というフレーズをスピーチに入れたのも、このキャンペーンを念頭に置いてのことだった。

◆【写真】「SDGsモーメント」開会セッションでスピーチをする防弾少年団ユン・スジョン記者

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