K-POP
ガールズグループの曲に変化 「低音」で魅力アピール
【ソウル聯合ニュース】韓国で今年上半期のヒット曲の一つに挙げられるガールズグループ、IVE(アイブ)の「LOVE DIVE」には特別な点がある。サビの前に曲の緊張感を高めるヴァース(曲の導入部分)に登場する低音パートだ。
歌謡界関係者によると、聴く人の脳裏に深く残る低音で差別化を図るガールズグループが増えている。
これまでは高音で爽快感を感じさせたのがガールズグループの曲の典型だったなら、IVEは正反対の戦略を選んだ。
IVEの所属事務所、スターシップエンターテインメントの関係者は「高音のコーラスパートとアドリブはガールズグループの専有物とされてきたが、いわゆる『第4世代ガールズグループ』の時代が幕を開け、音楽トレンドも高音がふんだんに盛り込まれた曲から独特な個性が際立つ曲へと変化していることに注目し、IVEだけの音楽スタイル確立に力を注いだ」と語った。
また、「IVEはデビュー前からさまざまなジャンルの曲をレコーディングしながらメンバーの声域、声の音色、スタイルを把握し、最もマッチするパートを探そうと努力した」とし、各メンバーの歌声が際立つ「LOVE DIVE」は低音のヴァースが曲の魅力をより際立たせていると説明した。
「LOVE DIVE」は3日、韓国最大の音楽配信サイト、メロンの「トップ100」チャートで、1位のBIGBANG(ビッグバン)の「Still Life」に次いで2位を記録した。発売から1カ月近くが経過したが人気が衰えず、フィジカル盤の売り上げは40万枚を超え、韓国の音楽番組でも1位を獲得した。
BTS(防弾少年団)を育てた芸能事務所、HYBE(ハイブ)から2日にデビューしたガールズグループ、LE SSERAFIM(ル セラフィム)のファーストミニアルバムのタイトル曲「FEARLESS」も中毒性のある低音のサビが特徴だ。
音楽専門チャンネル、Mnetのオーディション番組「プロデュース48」で選抜されて韓日混成ガールズグループIZ*ONE(アイズワン)として活動したキム・チェウォンや同番組で存在感を示したホ・ユンジンなど歌唱力のあるメンバーがいるにもかかわらず、この曲のサビでは胸のすくような高音ではなく低音の「What you lookin' at」というフレーズが繰り返される。
LE SSERAFIMはデビュー前から関心を集めただけあって、アルバムは予約枚数が38万枚に上り、リリースから2日で18万枚のセールスを記録した。
大衆音楽評論家のチョン・ミンジェ氏は「以前のように高音を強調しないのが最近の音楽トレンドだ。CDやLP盤をスピーカーを通して聴いていた時代から今はイヤホンを使う徹底的に個人化された聴取スタイルが定着し、聴き心地のよい曲が流行するとの分析もある」と指摘した。
「FEARLESS」については「はっきりしたメロディーがないという点で結局は海外市場に向けたあいさつのような曲ではないかと思う。アルバムには伝統的なポップスも収録されているが、あえてこの曲をタイトル曲にしたのはLE SSERAFIMを紹介するという意味を持ち、HYBEの自信の表れだとみている」と語った。
IVEのチャン・ウォニョンとアン・ユジン、LE SSERAFIMのキム・チェウォンと宮脇咲良の4人はいずれもIZ*ONE出身。IZ*ONEとして活動した当時は高音で実力を発揮していた。
大衆音楽評論家のキム・ドホン氏は「(4人が)IZ*ONEとして活動していたころは躍動的なパフォーマンスなど見せられるものは全て出し切ったため、再デビューした新人として『新たな魅力』をアピールしようとしたはずだ」との見方を示した。最近は主体的でガールクラッシュ(女性が憧れる女性)的なコンセプトを掲げるガールズグループが多く、曲まで強い雰囲気だと違いがなくなってしまうため、落ち着いた低音が際立つ曲を出したのではないかと述べた。