灰色の両側10車線道路の下に隠れた美しい風景。ソウル市城東区聖水洞の江辺北路下の擁壁一面に、朱色のノウゼンカズラが咲き誇っている。壁面に沿って伸びたつるが灰色のコンクリートを覆い、絵のような「花の壁」になった。何気なく走っている車の列の下で、花を背景に一生懸命写真を撮っている姿を見ると、非現実的な感じもする。
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 夏に咲く花・ノウゼンカズラは昔、両班(ヤンバン=朝鮮王朝の貴族階級)の家の庭によく植えられ、「両班花」と呼ばれたという。科挙に首席合格すると王が帽子にさしてくれたことから、「御賜花」という別名もある。遠くから見ると赤く見え、近づいてみると朱色の絵の具が手につきそうなほど、花びらが大きく光り輝いている。行き交う人が少ないのが残念だが、新型コロナウイルス感染症の再拡大により次第に荒涼としていく都心に咲いた花が、いつにも増して喜ばしく感じられる。

オ・ジョンチャン記者

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