くねくねしわの寄った布で包んだヘアゴム、別名「コプチャン（小腸）バンド」を見ると、どんな芸能人を思い浮かべるだろうか。いまだに1990年代後半にドラマ『ミスターQ』や『トマト』のキム・ヒソンが思い浮かぶなら、もう記憶をアップデートしなければならない。20年前に流行したコプチャンバンドが新しくなって戻ってきたからだ。
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　2021年4月に女性アイドルグループBLACKPINKのジェニーが公開した外出時の写真。明るく笑うジェニーの頭の上には、空色の布で包まれた「コプチャンバンド」が見えた。ジェニーはよくコプチャンバンドを使用している芸能人の一人だ。ジェニーだけでなく、Red Velvetのジョイ、IU（アイユー）らも、日常を収めた写真でコプチャンバンドを身に着けた姿が何度も見られた。

　コプチャンバンドは、くねくねした形がコプチャンに似ていることから付いた名前だ。フランス語で「シュシュ」とも言われる。コプチャンバンドの長所は1990年代に流行したアイテムだけに、当時の感性をうまく表現することができるということ。レトロ・スタイルを演出するのにピッタリだ。

　髪を結ぶ役割だけではない。腕にまいてブレスレットのように着用するのが最近の流行だ。頑張って着飾った印象はなくても、自然にポイントとなり、さりげないおしゃれが可能。サラリーマンのチョンさん（34）は「数年前、高級ブランドのコプチャンバンドをプレゼントされたのだが、ほとんど使わず、家に置いてあった。流行が戻ってきてまた使えるようになり、うれしい」とコメントした。

　今年2月、米国ではバレンタインデーを前に、コプチャンバンドで髪を結び、マカロン店を訪れたジル・バイデン米国大統領夫人の姿が話題を呼んだ。この姿は、エルメスやシャネルなど高級ブランドのアイテムを主に身に着けていたメラニア・トランプ前米国大統領夫人と対照的で、「気さくだ」「親しみがある」とし、米国のインターネットユーザーたちやメディアから好評を得た。

　ジル・バイデン夫人はその後、トーク番組『The Kelly Clarkson Show（ケリー・クラークソン・ショー）』に出演し、「娘のアシュリーから聞いて、（その姿が）話題になっていたことを知った」とした上で「今でも相変わらず、どうして話題になったのか理由が分からない。皆さん、シュシュを使っているではないか」と語った。司会のケリー・クラークソンは「それでは、シュシュと一緒にバナナクリップもまた流行させてほしい」と気の利いた返答をした。バナナクリップもシュシュと同じような時期に流行していたヘアアクセサリーだ。

　ケリー・クラークソンの注文のおかげだろうか。最近、バナナクリップもまた、流行の兆しが見えている。米国の経済誌「フォーブス」は「今年はバレッタがシュシュに続いて『最高のヘアアクセサリー』の座を引き継ぐものとみられる」とした上で「コロナ禍において、在宅勤務にちょうどいいカジュアルで楽なスタイルに合わせ、髪を簡単にまとめることができるアクセサリーが人気」と報じた。

ナム・ジョンミ記者