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映画『ミナリ』のおかげで今春さらに話題のセリ
今春、セリ(韓国語でミナリ)が話題だ。映画『ミナリ』がアカデミー賞の作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞、音楽賞など6部門でノミネートされ、野菜のセリも注目を集めているというわけだ。
米国南部のアーカンソー州に移住した韓国人ファミリーの物語を描く映画『ミナリ』は昨年、サンダンス映画祭で審査員賞と観客賞の2冠に輝いた後、ゴールデングローブ賞外国語映画部門などおよそ70の映画賞で受賞した。韓国系米国人のリー・アイザック・チョン監督が演出し、スティーブン・ヨン、ハン・イェリ、ユン・ヨジョンらが家族として登場し、韓国語のセリフが80%に達する。相次ぐ受賞の朗報に後押しされ、韓国国内でも3月3日に公開後、観客動員数が50万人を突破した。
春を代表する野菜の一つであるセリは、栄養価が高い。特に、解毒作用が優れており、体内の重金属やさまざまな毒素を排出するのに効果的で、現代人に有益なため、映画に関係なく、食べるとよい。香り高くやわらかい食感が逸品だ。かむとシャキシャキする。特有の華やかでさわやかな香りが鼻に抜ける。西洋の野菜セロリに似ている。セリは「water celery」「water parsley」などと言われる。
セリはメウンタン(辛いスープ)に入れたり、ゆでて酢唐辛子みそをつけて食べることが多い。しかし、セリが有名な慶尚北道清道郡のハンジェ地区では生で食べることが多い。包んで食べてもよいが、特にサムギョプサル(豚バラ肉の焼き肉)との相性が抜群だ。ハンジェではサムギョプサルを焼いてセリと一緒に食べている。セリを一口大に何度も折って葉のついた方をくるくる丸める。セリにサムギョプサル一切れをのせ、サムジャン(焼き肉や野菜などにつける合わせみそだれ)をつけて食べる。シャキシャキしていてさわやかなセリと香ばしく歯ごたえのあるサムギョプサルが、まさにピッタリのパートナーを見つけたようだ。しかし、主人公は確実にセリだ。サムギョプサルが包み野菜に押されて脇役になるなんて。ハンジェの人たちは「わたしたちはセリを食べるためにサムギョプサルを焼く」と言って笑った。
サムギョプサル以外にも、脂っぽいメニューはだいたいセリと相性がよい。生地にセリを加えて油でじりじりと焼き上げたセリのジョン(切った魚、肉、野菜などに味付けした後、小麦粉をつけて油で焼いた料理)は、サクッとしていて脂っこくない。セリが脂っこさを抑えてくれているようだ。
セリをのりで包んで食べてもおいしい。サムギョプサルを食べるときのようにまいたセリを、ごま油と塩をぬって焼いたのりで包んで食べてみてほしい。大したことないように見えるかもしれないが、セリの食感を最大限生かしてくれる。卓越した組み合わせだ。また、サムギョプサルを一緒に食べてもよい。最後はセリビビンバ。細かく切ったセリで覆われたご飯にテンジャンチゲ(韓国風みそ汁)をスプーン3、4杯かけて混ぜて食べる。満腹になるが、負担にならず、ヘルシーな感じと言ったら誇張しすぎだろうか。
映画『ミナリ』がアカデミー賞授賞式で善戦することを願いながら、今晩はセリを買い、サムギョプサルを焼いて包んで食べたい気分だ。
キム・ソンユン記者
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