ソウル市内の繁華街・大学路にあるマロニエ公園。日が暮れると、荒涼とした空き地のように人影が消えた。夜9時が近づくと、営業が制限されている近くの商店の明かりも次々と消えていく。クリスマスを前に公園の真ん中に設置されたクリスマスツリー。がらんとした公園をひっそりと照らしている。キャロルの歌詞のように、本当に静かな夜だ。時折、マスクをした人が横を通り過ぎるけれど、ツリーに関心を見せることはない。

 クリスマスや年末の心温まる姿をカメラに収めようとここを訪れたのだが、クリスマスの雰囲気が全く感じられない。カメラのレンズにクロスフィルターをはめた。ツリーに飾られた美しい電球がきらきら輝く。ようやく少し暖かそうに見える。新型コロナウイルス感染症の影響でサンタクロースの姿も見られず、キャロルも聞こえてこない、冷ややかなクリスマスを迎えている。心だけはいつにも増して温かくあってほしい。

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