京畿道坡州市にある世景高校は、ロブスターのチーズバター焼き、うな丼、キャビアののったサラダなど、高級レストラン顔負けの充実した給食で有名だ。同校の給食の責任を担っている栄養士のキム・ミンジさん(30)は、「給食のメニューのアイデアを得るため、一生懸命においしい店をめぐっている」という。「生徒たちがおいしいと言っていた食堂は必ず行く。旅行先でおいしいものを食べたら、店主にレシピを聞いている」。そのたびに携帯電話のカメラで料理の写真を撮る。そこで得たアイデアを給食のメニューに積極的に活用しているというわけだ。こうした写真は削除しても、残っているメニューが700品を超えるという。その莫大なデータベースから「最愛の」行きつけの店を4カ所教えてほしいと依頼した。

◆ソン食堂

 「オープンして間もないうちに行ってグリルステーキサラダを食べ、『この店、人気が出そう』と思っていたら、本当に数カ月後には行列ができる名店になった。お手ごろ価格でボリューム満点。チャーハンを頼んだだけでも海鮮たっぷりのスープがサービスでついてくる。うちの学校にはテーマ給食というのがあるのだが、『ソン食堂デー』と銘打ち、この店のメニューを出したら、生徒たちの満足度は1位だった。また近いうちに『ソン食堂デー』を設ける予定」

 コストパフォーマンスでは他の追随を許さない店だ。インターネットで検索すると、「ボランティアでもしているかのような食堂」「4人前のような1人前」といったコメントが続々と出てくる。グリルステーキサラダ9500ウォン(約950円)、牛肉ガーリックチャーハン7800ウォン(約780円)、豚肉の甘酢炒め1万4000ウォン(約1400円)、貝エビタンメン8000ウォン(約800円)。

◆ウナギ名家地中海

 「給食室のおばさんたちから味も雰囲気も『ベスト』と言われる食堂。ガラス窓越しに臨津江を眺めながらウナギを食べると最高だ。会食で行ってウナギを食べ、『これは生徒たちにつくってあげなくちゃ』とメモしておき、後でうな丼にして給食で出したら、反応がものすごくよかった」

 京畿道坡州市のウナギ名家。炭火で素焼きして脂の落ちたウナギをテーブルで再びこんがりと焼き、食べやすく切ってくれる。仲間と水入らずで食べることができるバンガロースタイルの部屋が多く、各種集まりにもピッタリだ。おかずも色々ついてくる。ウナギ・ウナギメウンタン(辛いスープ)は時価、ナマズメウンタン(中)4万2000ウォン(約4200円)、モクズガニの醤油漬け2万2000ウォン(約2200円)。

世景高校の栄養士キム・ミンジさん(30)

◆金村コウタケ水炊き

 「ここでも給食室のおばさんたちとよく会食をするのだが、古く小さい店だけどとてもおいしい。水炊きにコウタケやアワビまで入っていて、スタミナ料理として最高」

 「一にコウタケ、二にマツタケ」という言葉がある。高級で貴重なマツタケよりもコウタケを高く評価したものだ。味はもちろん、健康にもいいとされるコウタケを入れ、カモや地鶏で水炊きをつくる。これだけでも十分なのだが、あと1万ウォン(約1000円)出してアワビを追加すると、味も栄養もみなぎる。予約時間に合わせてつくってくれるので、1時間30分前には予約した方がいい。カモとコウタケの水炊き5万8000ウォン(約5800円)、地鶏とコウタケの水炊き・地鶏メウンタン各5万5000ウォン(約5500円)、地鶏コムタン(兆時間煮込んだスープ料理)7000ウォン(約700円)、タコカルビ蒸し3万4000ウォン(約3400円)・4万6000ウォン(約4600円)、コウタケギョーザ6000ウォン(約600円)。

◆パラパラ

 「ご飯なしに卵と野菜だけでつくるのり巻きなので、腹持ちがよくダイエットにもピッタリだ。ソウル・江南駅に行くと、家に帰る途中で必ずテイクアウトしている」

 ご飯が全く入っていない、いわゆる「ケトのり巻き」で、昨年オープンするやいなや有名になった。「ケトのり巻き」とは、炭水化物の摂取を極端に制限し、たんぱく質と脂肪だけを摂取すれば体重を減らすことができるという「ケトジェニック・ダイエット」から取った名前だ。代表的なメニューであるケトのり巻きには白米が一粒も入っていない。その代わり、パラパラに焼いた錦糸卵を使っている。のり巻き1本当たり卵を3個使っているという。それ以外ののり巻きもご飯の量を最少化し、ほかの食材をたっぷり使っている。一般的なのり巻きの1.5倍ほどの太さで、1本食べただけでお腹がいっぱいになる。ケトのり巻き5000ウォン(約500円)、ベーコン・ケトのり巻き5500ウォン(約550円)、カニカマ・ケトのり巻き6000ウォン(約600円)、パラのり巻き4500ウォン(約450円)、スパム・パラのり巻き5500ウォン。

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