【ソウル聯合ニュース】世界で活躍する韓国の人気グループ、BTS(防弾少年団)が6カ月にわたり行ってきたワールドスタジアムツアー「LOVE YOURSELF:SPEAK YOURSELF」がいよいよソウルでフィナーレを迎える。
 同ツアーのファイナル公演となるソウル公演は今月26、27、29日にソウル・オリンピック主競技場で開かれる。
 BTSは米ビルボードのメインアルバムチャート「ビルボード200」で3作品連続首位を記録したグループにふさわしく、世界トップクラスのスターのみが公演を行ってきた会場でツアーを開催。韓国の歌手としては初めて米国、南米、欧州、アジア、中東のスタジアムで公演を行い、歌謡史に残るツアーを成功させた。
◇1公演あたりの平均観客数5万人・チケット売り上げ140億円
 同ツアーは米ロサンゼルス、シカゴ、ニュージャージーで計6回、ブラジル・サンパウロ、英ロンドン、フランス・パリで各2回、大阪と静岡で計4回、サウジアラビア・リヤドで1回が行われ、ソウル公演を合わせると公演数は20公演に上る。
 BTSの所属事務所、ビッグヒットエンターテインメントによると、観客動員数は米国で32万人、ブラジルで10万人、英国とフランスで計23万人、日本で21万人、サウジで3万人だった。
 ソウル公演の規模は公開されていないが、昨年8月に同じ会場で開かれたワールドツアー「LOVE YOURSELF」のソウル公演の観客数を参考にすると、1公演当たり4万5000人、3日間で13万5000人となり、全20公演の観客数は100万人を超え、1公演あたり平均5万人が会場に足を運んだ計算になる。
 チケットの売り上げは推計1500億ウォン(約139億円)に上るとみられる。
 米ビルボードは6月、BTSが5月の月間ボックススコア1位を記録したと発表した。ボックススコアは世界で開催されたコンサートや音楽フェスティバル関連のイベントの売り上げを基準に順位を決めるチャートで週間、月間単位で発表される。
 ボックススコアによると、BTSが5月に米3都市とサンパウロで行った8公演の総収益は5166万6038ドル(約56億円)に上り、1公演当たりのチケットの売り上げは平均75億ウォンとなる。これを基準に推計すると、ロンドン、パリでの公演までを合わせた12公演のチケットの売り上げは900億ウォン、日本、サウジ、ソウルでの8公演の売り上げ推定額は約600億ウォンで、合計すると約1500億ウォンとなる。
 これに米国、ロンドン、パリで運営したポップアップストアの売り上げ、会場で販売したグッズの売り上げ、公演の生中継の収益などを合わせると、ツアーの売り上げは2000億ウォン(約185億円)に迫る見通しだ。
◇英国ポップの聖地・中東スタジアムでも大歓声
 ツアーの規模面でも記録的だったが、内容も充実していた。米国だけでなく南米、欧州、中東まで回り、トップクラスのポップスターが公演を行う会場を制覇した。BTSは行く先々でファンを中心に大きな話題となり、世界的なヒットを肌で感じることができた。
 中でも話題となった会場は英ウェンブリー・スタジアムだった。ポップの聖地で韓国の歌手が韓国語で歌い、総勢12万人のファンの歓声を浴びる姿は、ビートルズの米進出(ブリティッシュ・インベージョン)に匹敵する「コリアン・インベージョン」と評価された。
 また、イスラム教国の中でも保守的とされ、周辺の中東諸国に比べ女性の活動が制限されているサウジでアラブ圏以外の歌手として初めてスタジアム公演を行ったことも「事件」だった。サウジ政府が公演を誘致したのも、全身を覆う民族衣装「アバヤ」を着た女性たちがスタジアムに入場し踊る姿も異例の光景だった。
 韓国の大衆音楽評論家、カン・ムン氏は「アラブ文化圏はわれわれの大衆文化を広めるのが難しいとされてきた市場だ。特に最も保守的で、心理的距離もあるサウジでBTSの公演が開かれたことは歌謡史に残る大きな『事件』とみることができる」と述べた。

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