韓国で最も暑い時期に当たる三伏(日本の土用の丑の日に相当)に食べる代表的なメニュー、参鶏湯(サムゲタン=丸鶏の中に韓方薬の材料やもち米を詰めたスープ)の中に入っている高麗人参やナツメを食べるかどうか悩む人たちがいる。いつからか、参鶏湯をつくる過程でこれらの栄養成分がスープに溶け出し、参鶏湯の食材の毒性を吸い込むため、むしろ体によくないという話が広まったからだ。

 しかし、これは事実ではない。まず、参鶏湯の材料には毒性のあるものはない。高麗人参には温かい性質があり、新陳代謝を促進し、元気回復を助け、サポニンが豊富に含まれているため免疫力を高める健康食品なので、ぜひ食べるのがよい。高血圧予防や美肌、疲労回復などに効果的なナツメもまた、体内の発がん物質を吸着し排出する食物繊維を含んでおり、一緒に食べると健康に有効だ。高麗人参とナツメの栄養分はスープに溶け込んでいるので食べなくてもよいと言う人もいるが、食材をいくら煮込んでも原物に有効成分が残っているため、できれば一緒に食べるのがよい。

 ノグリラーメンの昆布も参鶏湯の中の高麗人参やナツメのように、多くの人が「食べようか、どうしようか」と悩むものの一つだ。しかし、これもまた食べた方がよい。農心はノグリラーメンの定番とも言える昆布のために、毎年莞島(全羅南道)で1等級の昆布を厳選しているという。

 では、梅エキスをつくるのに使った青梅はどうだろうか。梅エキス用の青梅は汁だけ使うため、漬物用の梅に比べ小さい下等品を用いることが多い。しかし、これらの梅もエキスをつくった後、食べるのがよい。ただ単に、食べるために加工するのに手間がかかり、味がやや落ちるだけだ。梅エキスをつくった後の青梅は漬物のように果肉を食べるというより、焼酎を注いで料理酒のように使うとよい。梅を使った料理酒は清酒と同様に使用することができ、料理の香りがいっそうよくなる。
キム・ジョンア記者

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