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キムジャンとは違う! 春にオススメの新キムチ
ソウル市庁前にあるソウル広場で5月4日まで開催された「光州の新キムチ、ソウルにお出掛け」展示館を見学した市民たちは、こう話していた。展示館内部が、ナズナ、ツルマンネングサ、ケイトウ、ヒメニラ、タラの芽、タンポポ、タマネギ、ニンニクの芽など、さまざまな野菜を漬けた新キムチ(春に出た野菜で漬けたキムチ)でいっぱいだったからだ。
新キムチという名前もそうだが、定番の白菜ではなく、ナムル向けの野菜を漬けたキムチというのだから、目新しい。展示館に用意された新キムチおよそ20種類を手掛けたキムチ名人たちは「新キムチはキムジャン(越冬用のキムチ漬け)のキムチがなくなったり、味が落ちたりする春に春野菜を着けて食べるキムチ」と説明。光州市が指定するキムチ名人たちは、世界光州キムチフェスティバル名人コンテストで最高賞に当たる大統領賞を受賞した人たちだ。
クァク・ウンジュ名人は「必ずしも白菜に塩辛や粉唐辛子を入れたものだけがキムチではない」とし、白菜キムチ一つだけでキムチが画一化されている状況を残念がっている。「キムチはもともと、どんな材料でも作ることができる。先祖たちは旬の食材でキムチを漬け、食べてきた。種類も数百種になる」
キムチ名人たちにとって、春は豊かでさまざまな野菜が出回り、新キムチをつくって食べることができるので、特にいい季節だ。ホ・スンシム名人は「ナムルとして和えて食べるのではなく、キムチを漬けて食べてみてほしい」と語った。「花が咲く前、新芽が出たころのたんぽぽでキムチを漬けると、やや苦みがあってとてもおいしいから」
「春の新キムチはさっと塩漬けして軽く味をつけるのが秘訣と言えるだろう」と、キムチ名人たちは話している。パク・キスン名人は「春野菜はやわらかいので、秋の白菜のように長い時間塩漬けすると、食材本来の味や香りが消えてしまう。塩漬けする時間、塩分濃度を、キムジャンのときに比べかなり抑えなければならない」と教えてくれた。
新キムチ用の野菜を塩漬けするときは、塩分はキムジャン用の白菜の3分の1程度の濃度にするとよい。キムジャン用白菜は通常、濃度10%ほどの塩水を使っている。塩漬けする時間は30分-1時間で十分だ。キムジャンのときには大抵、もち米のりを火にかけてから調味料を和えて使うが、新キムチには小麦粉のりの方が合う。塩辛も、太刀魚の内臓の塩辛など深く強い味を出すものより、アミの塩辛のように軽い味わいのものを使うとよい。