JYJのパク・ユチョンと元BIGBANGのV.Iが社会的に物議をかもし、韓国芸能界を追われる危機に直面している。2人はいずれも「第2世代アイドル」を代表するトップクラスのスターだった。危機を免れるために「偽りの潔白」を主張し、さらに大きな危機を招いたところまで似ている。

 パク・ユチョンをめぐっては、薬物使用疑惑に関する国立科学捜査研究院の検査で陽性反応が出たことが4月23日までに分かり、疑惑が取りざたされ始めたころよりさらに強い非難を浴びている。インターネットユーザーの間では、芸能生活をやめなければならない「引退」という表現すら豪奢だとして否する意見が出ており、「退出」に訂正すべきとの声まで上がっている。所属事務所C-JeSエンターテインメントも4月24日、パク・ユチョンとの信頼関係を回復し得ないと判断し、専属契約解除を発表した。

 パク・ユチョンは今回の疑惑が浮上し始めたころ、警察への出頭に先立って4月10日に自ら記者会見を開き「決して薬物は使用していない」と抗弁した。その時点ではまだファンの信頼をつなぎとめていたが、今やそれすら失ってしまったようだ。パク・ユチョンは当時、記者会見を開いた理由について「(薬物の)疑惑が認められたら、芸能人パク・ユチョンとして引退するだけでなく、僕の人生の全てが否定されるから」と話し、切迫感を訴えた。

 パク・ユチョンの薬物使用疑惑をめぐってはまだ捜査中で、処罰を受けるかどうかも裁判が終わってみなければ分からない。だが、薬物の陽性反応が出た後、パク・ユチョンが自ら開いた記者会見での真剣さすら疑われ、人々をだましたのではないかという指摘が出ている。

 V.Iも同様だ。今年2月末にV.Iは、メッセンジャーアプリのグループチャットで2015年に、当時設立準備中だった投資会社「ユリ・ホールディングス」の代表や社員などとやりとりした中で性的接待を指示したという疑惑が浮上。V.Iは当初、所属事務所YGエンターテインメントを通じて疑惑を否定し、法的に対応するという立場を表明していた。YGエンターテインメントは当時、「本人に確認した結果」として、報道内容について「ねつ造された文字メッセージによるもの」と主張。また「フェイクニュースをはじめとするデマの拡大および再生産など一切の行為に対して法的に強硬対応する」と主張し、報道を「フェイクニュース」呼ばわりした。

 ところが、その文字メッセージはねつ造されたものではないことが確認され、警察の捜査を通じてV.Iによる性的接待などをめぐる状況も明らかになってきている。周囲をだまそうとしていたことが「ブーメラン」となって返ってきた。V.Iは引退を宣言し、YGエンターテインメントとの専属契約も終了した。

 かつて国民の前で兵役義務の遂行を約束しておきながら国籍を変え、韓国への入国を禁じられた歌手ユ・スンジュン。海外賭博疑惑をかけられ、病気(デング熱)を装って韓国に戻らずやり過ごそうとして発覚し、その後活動を再開するまで長い時間がかかったお笑いタレントのシン・ジョンファン。過去にはこうした例があるが、パク・ユチョンとV.Iもまた、こうした前轍を踏む行動を見せたことになる。

 大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「芸能関係者の話によると、スター意識に酔い、してはならないことに対する警戒が鈍くなるケースがあるという。パク・ユチョンとV.Iのケースも、覆い隠せる程度のことと事態を甘く見ていた上に、ファンや一般の人々をあまりに軽視していたのではないかと思う」と語った。

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