女性との性交渉を隠し撮りした動画をメッセンジャーアプリのグループチャットで他の芸能人と共有したとして、歌手のチョン・ジュニョン(鄭俊英)容疑者(30)が21日、逮捕された。いわゆる「バーニングサン事件」が浮上後、関与した芸能人が逮捕されたのは初めてだ。

 チョン容疑者は同日午前、逮捕状交付のための審査に出頭し、A4サイズの紙に書かれた声明を読み上げた。チョン容疑者は「許されない犯罪を犯した。捜査に誠実に応じ、一生反省しながら生きていく」と述べた。

 警察は同日、チョン容疑者の弁護を担当している弁護士のI容疑者も証拠隠滅の疑いで立件した。I弁護士は2016年、チョン容疑者が元交際相手の女性を隠し撮りしたとして取り調べを受けた際にも弁護を引き受けた。I弁護士は携帯電話のデータ復元業者から「チョン容疑者の携帯電話は復元不可能だ」とする虚偽の陳述書を受け取り、警察に提出した疑いが持たれている。

 警察は当時事件を担当していた警察官についても、職務怠慢で立件した。事件を速やかに検察に送致するため、携帯電話修理業者に電話をかけ、「復元不可という確認書を書いてもらえないか」という趣旨の問い合わせを行った疑いだ。

 警察はソウル市江南区の有名クラブ「アリーナ」(韓国語の発音はアレナ)の実質的オーナーとされるK氏の逮捕状も請求した。K氏は側近の名義で江南地区一体の風俗店10カ所以上を経営しているとされる。警察は脱税の疑いで昨年12月にK氏を緊急逮捕し、逮捕状を請求したが、認められなかった。

 捜査関係者によると、その後の捜査でアリーナが14年から17年にかけ、税金162億ウォン(約15億9000万円)を脱税したことが確認され、K氏と風俗店の名義上の社長A氏の逮捕状を請求したという。アリーナは昨年、国税庁の税務調査を受けたが、K氏は処罰されていない。検察、警察、税務当局に捜査が拡大する可能性もある。BIGBANGの元メンバー、V.Iことイ・スンヒョン氏(29)らと共同でバーニングサンの運営に関与した人物もアリーナ出身者が多い。そうした人物らは過去にK氏が経営していた風俗店「ガストン」にちなみ、「ガストン人脈」と呼ばれる。

 V.I氏、チョン容疑者などと同じグループチャットに加わっていた「FTISLAND」の元メンバー、チェ・ジョンフン容疑者(29)は贈賄の疑いで立件された。警察はチェ容疑者が16年、飲酒運転で摘発を受けた際、それをもみ消そうとして、警察に200万ウォンの賄賂を払おうとしたする証言を確保した。警察はまた、V.I氏と同業者である投資会社代表のY氏(34)を食品衛生法違反の疑いで事情聴取した。16年に江南区に開業したクラブ「モンキーミュージアム」を「一般飲食店」として届け出ていながら、風俗店営業を行った疑いだ。

 国税庁は21日、麻薬、わいせつな接待、公務員との癒着などさまざまな疑惑の舞台となったバーニングサンに対する特別税務調査に着手した。

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