男性アイドルグループ防弾少年団(BTS)のファンクラブ「ARMY(アーミー)」が、今月15日に行われる「High 1ソウル歌謡大賞」の人気賞投票をボイコットした。防弾少年団ファンの簡易投稿ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「ツイッター」には「#ソ歌大(ソウル歌謡大賞)投票ボイコット」「#ソ歌大 良心はどこへ」「#ソ歌大 ボイコット」などのハッシュタグが付けられた書き込みが続いている。投票締め切り前日に当たる10日午後5時ごろのソウル歌謡大賞公式ホームページ人気賞投票現況を見ると、防弾少年団の得票率は1.2%に過ぎなかった。

 ボイコット理由の一つは、今月5日に行われた「第33回ゴールデンディスクアワード」で発生した不正投票だ。この問題は人気賞の投票が終わった先月31日の投票締め切り4時間前に起こった。前日2位だった防弾少年団が別の男性アイドルグループEXOを抑えて1位に立っていた。ファンたちは1分に1回投票数を確認し、ツイッターで投票を呼びかけていたが、このさなかにEXOファンのアカウントのうち17万人のフォロワーを抱えるツイッター・ユーザーがゴールデンディスクアワードのホームページをハッキングする方法をシェアしたのだ。このユーザーは「IDを無限に作れる」としてハッキングを誘導、不正投票を呼びかけた。このため、防弾少年団のファンたちは「10万票以上後れを取っていたEXOが、わずか数時間で防弾少年団の得票数に追いついた」と主張している。同日のゴールデンディスクアワード人気賞は防弾少年団に贈られた。

 インターネット投票の集計を担当したLGテレコム側は「アイドルグループAに168票、アイドルグループBに18万4332票の不正投票があった。投票終了後、全数調査をして不正投票を集計から除外したので、受賞結果に影響はなかった」と正式にコメントを出した。ゴールデンディスクアワードを主催したJTBCプラスとゴールデンディスク事務局は特にコメントしていない。

 防弾少年団のファンたちは「コイン」がなければ投票権がないソウル歌謡大賞の投票方式にも問題提起している。コインを手に入れるには現金決済をしたり、広告を見たりしなければならず、未成年者がほとんどのファンたちは現金決済より広告視聴を選択するケースが多い。ところが、コインを支給する広告には援助交際に誘導するものやカジノの宣伝など、未成年者にとって不適切な内容が含まれている。

 こうした批判が高まっていることから、人気賞をなくすべきだという声もある。アイドルとそのファンたちを商売の道具としてだけ見なすのはやめるべきだというものだ。今月23日に行われる「第8回GAONチャート・ミュージック・アワード」では投票だけで決まる人気賞を廃止すると発表した。大衆音楽評論家のイム・ジンモ氏は「ファンたちは理性的とは言えない集中性を持っているため、客観性がなくなってしまう。授賞式の結果がファンたちによって左右されないよう、評価方式を公平なものに改善するのが望ましい」と語った。

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