「3時間漬けた白菜です。これを3回すすぎます!」

 ビューティーブロガーのリナさんは最近、動画投稿サイト「ユーチューブ」に「1株キムジャン(越冬用のキムチ漬け)」というタイトルの動画を掲載した。リナさんは動画で、白菜を切って塩漬けし、すすいだ後、のりを作ってスケトウダラのスープを注ぎ、熟成ダレを作る様子を披露した。すぐに「おいしそう」「私もこんな風に作ってみる」といったコメントが寄せられた。リナさんは「買って食べるのが楽だけれど、自分で漬けて食べるのもおもしろそうだった」と語った。

 キムジャンも時代によって変わってきた。1950-60年代、主婦にとってキムジャンは重労働を連想させる単語だった。ソウル在住のパク・ミョンアさん(72)は「23歳で結婚した後、毎年60-70株キムチを漬けてきた」と語った。「一日中白菜の塩漬けをしていると、手がかじかみ腰が痛くなる。もうやらないつもり。最近は市販されているキムチもおいしい」

 一方、20-30代の若い女性にとって、キムジャンは「面白半分でやる遊び」に近い。5株くらい簡単に漬けてその過程をユーチューブやインスタグラムなどにアップする。すると、たちまち「格好いい」「すごい」といった反応がある。♯セルフキムジャン♯1株キムジャン♯初キムジャンといったハッシュタグで検索すると、およそ1000件ヒットする。先月、「宗家」が2885人を対象に実施したアンケート調査で、50代以上の女性の47%は「キムジャンをしない」と答えたのに対し、25-30歳の女性のうち51%は「キムジャンをする」と答えた。そのうち51%「ほかの人に助けてもらわず自分でやる」という。

 「1株キムジャン」を楽しむ一人飯族・シングル族も増えている。仁川在住のパク・チャヨンさん(34)は「一人でワインを飲むときつまみにしようと、白菜キムチを1株漬けてみた。魚醤を使わず、リンゴとナシをすりおろしたものを入れ、いためたスケトウダラと干しエビも入れた」と語った。「アワホーム」などの企業は、こうした人たちが楽にキムチを漬けることができるよう、白菜10キロに合わせ調味料5.5キロを添えた「キムジャンキット」を売り出した。価格は6万ウォン(約6000円)台。

 フードスタイリストのメイさんは「若い世代ほど伝統的なスタイルよりは簡単で楽な方法を好む」と語った。「一般的に韓国のキムジャンは白菜を塩水に漬けてから洗い、塩度を調節するではないか。若い人たちの中には洗う過程すら省略するケースが多い。白菜の重さの3%ほどだけ塩を振り、一日ほど置いて合わせ調味料で軽く和えて食べるのだ。粉唐辛子やワケギ、おろしニンニクなどを入れてさっと混ぜれば終わり。それがキムチかと言う人も多いだろうが、数カ月おいてから食べるのではなく、数日かけてサラダのように食べるために作るのだから」。コクを出したかったら、白菜を塩漬けするときにユズの皮、青唐辛子などを入れてみよう。刻んだ昆布、ミカンの皮、ニンニクやショウガをおろしたものを活用してもよい。

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