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外国人も心惹かれる春川・圓坪ファームステイ村の魅力
「自分で作って食べるタッカルビ! 本当においしい!」。これは春川・圓坪ファームステイ村で会ったある外国人観光客の言葉だ。
江原道の農村体験村の中ではソウルに最も近く、韓国的な風景を誇り、さまざまな食べ物がある春川の圓坪ファームステイ村は、外国人にも人気がある村の一つだ。これから、ここが持つ3つの魅力を隅々まで調べてみよう。(ファームステイ? 農場を意味するファーム〈farm〉と滞在を意味するステイ〈stay〉の合成語だ)
#ソウルから最も近い江原道の農村体験休養村
よく、江原道といえば少なくとも1時間半から2時間以上かかると思いがちだ。だがこの村までは1時間もかからない。国道46号線に沿って春川に向かうと国道5号線と交差するので、この道に沿って春川ダム方面に向かえば村が見えてくる。
公共交通機関を利用する場合、自家用車より少し時間がかかる。東ソウル・ターミナルから春川もしくは華川行きのバスに乗り、村に向かう直行バスに乗り換えればいい。所要時間は合計およそ2時間。春川や華川から村まではおよそ40分かかるからだ。
#「背山臨水」、最も韓国的な風景を誇る村
海抜1468メートルの華岳山を背後の屏風、北漢江の春川湖を前庭としたこの村は、韓国のファームステイ村の中で最も美しい地形に挙げられている。「山を背にして水を望む地勢」という意味の背山臨水の条件にまさにぴったりのこの村は、「明堂(名地)」中の明堂だという。
これを証明でもするかのように、村の入り口に差し掛かると、体と村が調和したような気分になる。地平線が広がる静かな春川湖と、これを抱く山々は、一幅の水墨画をそのまま移してきたようでもある。
村では合わせて20世帯がファームステイを営んでいるが、それぞれの農家ごとに役割と特徴がある。大部分の農村体験村では、農作物の収穫などといった農村体験を中心に運営されている。ここは、農作物の収穫やキムジャン(キムチの漬け込み)体験などはもちろん、豆腐やトウモロコシ麺のスープ作り体験なども営んでいる。
またこの村では、農村体験のほか、さまざまな活動もできる。冬場の「グリーン湖水農泊(ポラネ)」では、ワカサギ釣りとソリ体験を12月から2月まで営んでいる。また「スンドリネ」では愛玩犬、特殊犬の見学ができる。さらに「圓坪中華料理」では、ジャージャー麺や酢豚作り体験も可能だ。
#外国人の舌もとらえる村の味と趣
街並みや風景もいいが、外国人にとって最も重要なのは体験だ。この村では、テーマごとの体験と季節ごとの体験、体験プログラムパッケージの「3点セット」を運営している。
まずテーマごとの体験プログラムは、歴史・文化体験、農村生活体験、自然・生態体験に区分される。この日、村で出会った外国人は農村生活体験をしに来たという。一行は、午前中は伝統的なテンジャン(韓国みそ)を作ってみて、昼食時には自らタッカルビを作って食べた。
村で会ったキム・ミヨン事務長は「村を訪れてくれる方が希望する全ての体験ができるよう、最善を尽くしている」と語った。本来、村では豆腐作りやトック(韓国モチ)作り体験などを営んでいる。だが、やってみたい食べ物作り体験があれば、事前に事務長と調整して進めることが可能だ。
この日、村を訪れた20人の外国人は、春川の名物タッカルビを自ら作って食べる体験をした。体験は簡単だった。村であらかじめ準備しておいた鶏肉を適当にさばいた後、平たい鍋に鶏肉と調味料(ヤンニョム)、各種の野菜を入れて炒めるというもの。一行は完成したタッカルビを持ち、食堂で田舎風のお膳とセットにして食べた。タッカルビを食べてみたある外国人は「自分で作って食べるので一段とおいしく思える」とサムズアップしてみせた。
また村では、季節ごとの体験プログラムも営んでいる。春には田植え体験や花の植え付け、山菜取り、醤(ジャン)の仕込み体験、サツマイモの植え付けなどさまざまな体験ができる。夏にはジャガイモの収穫体験、トウモロコシ・トマト摘み体験、水遊びなどが用意されている。秋には穀物の収穫体験やクリ拾い、マツの実摘み体験、サツマイモ掘りなどの収穫体験が、そして冬にはキムジャン体験やみそ玉作り、ワカサギ釣り体験などができる。
最後の「体験プログラムパッケージ」は、当日プログラムと1泊2日体験プログラムに分けられ、当日プログラムの場合、食事を含め伝統体験、農業体験、水遊びなど1人2万ウォン(現在のレートで約1986円)の費用が生じる。1泊2日の場合、3食を含めて伝統体験、農業体験、焚火体験、宿泊まで合わせて1人5万ウォン(約4964円)の費用が生じる。
韓国にはさまざまな農村体験村がある。だが、圓坪ファームステイ村は韓国国内の観光客はもちろん、外国人観光客にも好まれるさまざまな体験が用意されている。今秋、ソウルに近いのはもちろん、美しい風景とおいしい食べ物の体験でいっぱいの圓坪ファームステイ村を訪れてみるのはどうだろう?
村の情報をもっと見る
■村の情報
住所:江原道春川市史北面マルゴゲキル82-35
連絡先:033-243-3431
ホームページ:http://www.wonpyeong.net
■村案内
旧38度線に最も近い村で、人跡少ないことから自然のままの生態系が生きている。休戦ライン近くということで心理的に敬遠しがちだが、実際には韓国首都圏から1時間前後で行き来できる距離なので、負担なく通うことができる場所だ。 清浄地域にあって有機農法で農作業を行っているだけに、新鮮できれいな農産物を体験し、味わうことができる。トック作りやテンジャン作りなど一年を通して楽しめる体験や、季節ごとに旬の農産物を収穫して味わえる農村体験が用意されている。
■宿泊案内
この村では体験学校を営んでいる。1泊2日パッケージで50人を収容できる。基本利用料は50万ウォン(約4万9600円)。1人追加で5000ウォン(約496円)の費用が生じる。校内には官舎も別にあり、12人を収容できる。基本レンタル料は10万ウォン(約9900円)。
■周辺の農村旅行地案内
チプタリゴル自然休養林:昭陽湖と衣岩湖、春川湖に接しているチプタリゴルは、春川近郊にて1468メートルの威容を誇る華岳山の下、應峰(1436メートル)とチョクテ峰(1125メートル)の間から発する流れが春川湖へと下っていく谷に位置付けられ、四季を通して清く澄んだ豊かな水と、勇大な岩が作り出す渓谷、天然広葉樹の原始林を有する。天然原始林には珍しい野生の草花や樹木があり、新鮮な空気、澄んだ水と併せて、リスやムササビがしばしば道を横切っていく清らかな自然の宝庫だ。また、保養客向けの「森の中の家」、キャンプ場、運動施設、登山路、散策路施設を整備し、四季を通しての家族単位の休養地として脚光を浴びている。
住所:江原道春川市史北面ファアクチアム1ギル29
電話:033-243-1443
ハッピー草原牧場:「Happy草原牧場」は、7万坪の草地に韓牛を放牧して育てているHi-Lok韓牛体験農場で、江原道の清浄Hi-Lok韓牛の優秀さと安全性をPRするため、江原道と5つの市・郡(春川市・華川郡・楊口郡・麟蹄郡・鉄原郡)によって指定・運営されている。またこの牧場は、子どもたちが自然の中で動物たちと一緒に思う存分遊びまわながら正しく理解ができる、農村体験教育農場としても運営されている。
住所:江原道春川市史北面松花路330-48
電話:033-244-2122