最近、ニューヨーカーたちが韓国料理について話すとき、欠かせない場所が「Cote」というレストランだ。人気シェフのゴードン・ラムゼイも、韓国料理が好きだとし、この店に言及した。正式な名前は「Cote Korean Steakhouse」。花(韓国語でコッ)を「Cote」と表記したのは、フランス語の「Cote de boeuf(牛カルビ)」から取ったものだ。このレストランは現在、ニューヨークで最もホットなエリアの一つであるフラットアイアンにある。広さ744平方メートルの店内におよそ80人の従業員がおり、ディナーだけで一日に300人余りの客が訪れる。同店の代表を務めるのは、中学生のとき米国に移住したキム・シジュンさん(36)。

 20年前、ニューヨークで韓国料理店「コリ」を営んでいた母親の下で雑用からバーテンダーまで、さまざまな仕事を学んだ。ネバダ州立大学でホテル経営を学んだ後、MGMグランドホテルの日本料理店やニューヨークWホテルのレストラン、ニューヨークの日本料理店・松玄、ミシュランの三ツ星をこれまでに何度も獲得しているシェフ、トーマス・ケラーの下で支配人を務めるなどした。

 「Cote」をオープンするに当たり、周囲では、韓国式ステーキはニューヨークで通じないだろうという意見が多かった。しかし、キム・シジュンさんは最後まで韓国式にこだわった。テーブル上のグリルで肉を焼き、キムチチゲ、テンジャンチゲ(韓国風みそ鍋)にネギ和え、漬物、エゴマの葉などのおかずを提供する。従業員たちは客にエゴマの葉の漬物などについて説明もしてくれる。およそ600種のワインリストがあり、名の知れたソムリエやバーテンダーも雇用した。昨年6月にオープンし、5カ月後の11月にミシュランの一つ星を獲得した。ニューヨークのレストラン2万店舗余りのうち、ミシュランの星を獲得したのは72店だけだ。中でもステーキハウスは「Cote」を含め3店しかない。「韓国式バーベキューの品格を押し上げたニューヨークのステーキハウス」(USAトゥデイ)、「ニューヨーク最高の韓国式バーベキュー」(ニューヨーク・タイムズ)、「米国で新たに生じた最も素晴らしいレストランTOP13」(GQ)という評価を受けている。キム・シジュンさんはすでに2013年にイタリア料理店「Piora」をオープンし、1年でミシュラン一つ星を獲得した。

 「ニューヨークで世界的なシェフたちと肩を並べるには、韓国料理をしっかり突き詰めなければならないと思った。Coteをオープンするのに10年かけ、イタリア料理店で西洋人になじみのあるメニューをまず出すことによって、食堂経営能力をチェックしたかった」

 最高級の肉を使い、ドライエイジングルームを客が直接見られるよう公開した。服ににおいが付くのを抑えようと、1台4000ドル(約45万円)を超えるグリルも各テーブルに設置。最も人気のあるメニューは、1人前48ドル(約5400円)の「butcher’s feast」。ハラミ、カルビ、和牛、味付けカルビにキムチ、テンジャンチゲを基本として提供する。最近、10カ所の部位を味わえるメニューを出し、再び話題を集めた。

 「韓国の肉の食べ方を、高級感あふれる雰囲気の中で体験できる場所をつくりたかった。従業員の説明に従ってグリルに肉をのせ、塩を少々ふって焼き、野菜で巻いて食べるのが好まれている」。元サッカー選手のデビッド・ベッカム、歌手ジョン・レジェンド、俳優ローレンス・フィッシュバーン、女優グウィネス・ケイト・パルトローといったスターたちも店を訪れたという。

 「私がメンターとして慕っている方が、食堂をやりたいならぜひ順天のテウォン食堂に行ってみるべきだとおっしゃった。学ぶ点が多いからと。そしてそのとき短い一言をいただいた。『食堂をやるならあやふやな点があってはならない』。そのときは分からなかったが、今なら少し分かる気がする。ハハハ」

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