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韓国で今、昼酒を楽しむサラリーマンが増加
先日、昼12時にソウル市江南区三成洞のCOEXにあるクラフトビール専門店「ダブルスコア」を訪れたところ、店内は200人余りのサラリーマンたちでにぎわっていた。客の多くはピザやパスタとともにビールを注文していた。同店を営む新世界フードのヒョン・ソンジン氏は「最近、ランチタイムにビールを飲む人が多く、7月にはビールの販売量が前月比18%増えた。ビールに合うサンドイッチやフライなど、ランチメニュー12種を新たに提供する計画だ」と語った。
昼酒を楽しむ人たちが増えている。夜に趣味生活を楽しむため、昼にアルコール度数の低い酒を1杯飲む人が多くなっているというわけだ。週52時間労働制がスタートし、「ウォラベル(work-life balanceの韓国語読みの略)」に対する関心が高まっている上、「Me Too運動」の余波で夜の会食が減っているのも要因の一つに挙げられる。
今年4月にオープンしたクラフトビール専門店「ザ・ブース」新竜山駅店は最近、毎日ランチタイムに「ピメク(ピザ+メクチュ〈ビール〉)」を楽しむ人たちで満席となっている。同店のアン・ジェヒョン氏は「夜の代わりに昼に会食をする文化が広まっているほか、今年は猛暑だったことが、ビールの販売量が増えている要因とみられる」とした上で「ランチ営業をしていないほかの支店は午後5時にオープンすると、少しだけ酒を飲んですぐに帰る客が多いため、ランチ営業を検討している」と語った。ソウル・光化門のビール店「タップ・パブリック」のユ・ジフン氏は「最近、午後2-4時に4-10人で来て、チームのミーティングをしながらビールを1、2杯飲んでいくサラリーマンがいる」と話している。Me Too運動の影響もある。サラリーマンのイ・ジェウォンさんは「最近、夜に職場の飲み会に出席しなくても、問題視されないような雰囲気になった。職場の同僚たちがランチタイムを利用して誕生パーティーをするなど、以前の飲み会の代わりにしている」と語った。
昼酒を飲む人が増え、夜だけ営業していた居酒屋が午前中にオープンし、コーヒーを提供していたカフェではビールや簡単なつまみをメニューに加えるようになった。慶尚北道浦項市のコーヒ―店「カフェトーン」は、外観はごく普通のカフェだが、店内に入るとさまざまな輸入ビールが置かれている。サラリーマンや主婦の間で「昼にビールを飲むカフェ」として知られている店だ。店主キム・ジュヨンさんは「木曜日と金曜日のランチ時間にビールを飲むサラリーマンが多いことから、ビールも取りそろえるようになった。ランチタイムにビールを2本以上の飲む人はほとんどおらず、軽いつまみと一緒に、コーヒーを1杯飲むような感覚で簡単に済ませる人が多い」と語った。翰林大学春川聖心病院消化器センターのソク・キテ教授は「昼には酒を早く飲む傾向があり、昼酒をすると毎日少しずつ飲む習慣が生じる可能性があるため、注意しなければならない」と話した。