今では猫が好きで家で飼っている人が増えたが、十数年ほど前まで、韓国では妖物だとか不吉だとかいう認識が広まっていた。さまざまな国があるように、猫に対する考え方にも違いがある。各国で猫がどのように扱われているのか見てみよう。

◆日本

 日本を旅行していると、店の入り口に片手を挙げた猫の人形が置かれているのをよく見掛ける。「招き猫」と呼ばれるこの人形は、その名の通り「福を呼び込む猫」という意味がある。右手(前脚)を挙げている猫は金運を招き、左手(前脚)を挙げている猫は人(客)を招くとされ、店主らは客がたくさん入るよう願い、店先に招き猫を置くという。このように日本では昔から、猫は福を招く動物と考えられてきた。実際に日本では2月22日が猫の日と定められている。また、日本には住民より猫の数の方が多い島もあるとのことだ。

◆ベトナム

 アジアの国々では十二支を用い、生まれた年ごとに干支がある。一般的に、子(鼠)・丑(牛)・寅(虎)・卯(兎)など12の動物で構成されているが、ベトナムでは兎の代わりに猫が入っている。正確な理由は分からないが、卯と猫の発音が同じなので混同してしまったという説がある。実際に、ベトナムをはじめ東南アジア各国では道端をうろつく猫の姿をよく見掛けるが、これは穀物を食べる鼠を駆除してくれる賢い動物と考えられていたからだ。

◆韓国

 韓国では昔から、猫は不吉・不運の象徴、もしくは妖物・霊物などと認識されてきた。これは、猫をいじめると復讐(ふくしゅう)するという俗説や、犬とは異なる鋭い目など、さまざまな要素が重なって生じた誤解だ。しかし、最近では猫に対する認識が大きく変わっており、犬に比べ独立心が強く、きれい好きで、手がかからないという長所があることから、ペットとしても人気が高い。

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