「20代のころはデリケートだったけれど、今では気持ちがゆったりしてきたみたい」

 女優イ・ヨニ(29)が30代を目前に控え、一段と余裕ある姿を視聴者に約束した。イ・ヨニは11月20日、ソウル市鍾路区三清洞のカフェでイーデイリーの取材に応じ「満年齢ではまだ29歳だけど、30代だと思って暮らしている。怒涛のごとく過ぎ去った20代のころは、考え方が生真面目で窮屈だったけれど、今では心がかなり開けた」と語った。

 イ・ヨニは11月18日に放送が終了した総合編成チャンネルJTBCのドラマ『恋するパッケージツアー~パリから始まる最高の恋~』で、旅行ガイドのユン・ソソを熱演した。それまでは演技力が問題視されることもしばしばあったが、同作では違った。恋愛に失敗した後、新たな恋をためらうキャラクターの感情を繊細に表現した。イ・ヨニは「恋という感情が怖い20代の女性の気持ちをどう表現すべきか、かなり悩んだ。まず自分からキャラクターに共感しないといけないという思いでアプローチした」と説明した。

 旅行が変化を引き出した。イ・ヨニは「新たな挑戦には怖さがあるが、旅行で克服している。作品が終わるたび、一人でひょいと出掛けることで、視野がかなり広くなった」と語った。9月に放送が終了したSBSのドラマ『まためぐり合えた世界』の撮影が終わった後は、ポルトガル旅行に出掛けた。イ・ヨニは「大変だったけれど、いい思い出だ」と振り返った。

 『恋するパッケージツアー~パリから始まる最高の恋~』での相手役は、CNBLUEのボーカルで俳優としても活動しているジョン・ヨンファ。ジョン・ヨンファはパッケージ旅行にやって来た男性サン・マルを演じた。この作品で二人は激しいキスシーンを披露し、話題になった。気付いたらNGなしの一発OKサインが出ていたという。イ・ヨニは「キスシーンを撮るときはドキドキしたけれど、お互いキャラクターの名前で呼び合って馴染んでいたので、難しくはなかった」「私の方が1歳年上だけど、彼の頼もしいところが良かった」と振り返った。

 イ・ヨニはフランスに強い愛情を示した。フランス旅行に出掛けたのがきっかけで『恋するパッケージツアー~パリから始まる最高の恋~』に出演し、フランス観光開発機構の広報大使に任命された。番組で一番好きなせりふも「フランスの女性のように見える」だ。番組を通じ、演技力に対する疑念を払しょくしたことが最大の成果。視聴率2.4%で終わったが、ドラマ・マニア層からはしっかりした支持を集めた。

 イ・ヨニは「フランスという国にはとても好感があり、『恋するパッケージツアー~パリから始まる最高の恋~』への出演オファーがあったとき、ためらうことはなかった。以前、パリを旅行したときのことを思い出し、出演の準備をした」と説明。ガイド役というだけあって準備すべきことは多かったが、楽しんだ。出演準備はまるでフランス旅行に出掛けるようなものだった。2015年に起こったパリ銃器乱射テロで制作が難しくなりかけたが、最後まで待った。「運命的にめぐり会った作品だという思いから、そうする価値はあると考えた」という。

 イ・ヨニは『恋するパッケージツアー~パリから始まる最高の恋~』に10点満点で10点を付けた。映像と音楽が織りなすアンサンブルが好きだし、完成度も高い、というのが自己評価。イ・ヨニは「自分に足りないところも見えて、もっと欲張らないといけない、という思いも抱いたけれど、全体的に見て本当によくできた作品だと思う」「誰よりも作品に愛情を注いできた監督と制作陣の力が大きかった」と語った。

 「しんどかった20代を過ごしながら、くたびれていた。当時の私はすごく性格がきつくて。批判されて、女優として才能がないのだと思った。ほかの仕事を探してみたこともある。けれど、あきらめなかった。私を必要としてくれる方がいるから、演技を続けることができたんだと思う。今は、何事にも感謝しようと思う。演技も何かを得るためではなく、楽しもうという気持ちてやっている。こうしているうちに、もっと良くなるのでは?」

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