映画やドラマに登場した忠清北道丹陽郡の風景に沿って旅をしてみてはいかがだろう。丹陽郡赤城面ののどかな田舎、くねくねした山道を登っていくと、森の中にひっそりとたたずむ古本屋がある。映画『インサイダーズ/内部者たち』(2015)の撮影が行われたセハン書店だ。映画ではウ・ジャンフン検事(チョ・スンウ)の本家であり、アン・サング(イ・ビョンホン)の隠れ家として登場した。深い森の中にある古びた木造建築物やぎっしり並んだ本、本棚がまるで迷路のようだ。 ソウルで古本屋を営んでいたイ・グムソク代表が2009年、自ら空間をつくり、本を並べた。山の傾斜に沿って、地面むき出しのまま壁を築き、屋根を設置した2棟の建物には、およそ13万冊の本が所狭しと並べられている。どの本にも年月が感じられ、ほこりをかぶっているが、森の中の風景を背景に本棚を見て回ると、余裕すら感じられる。

 秋になると銀色に波打つ南漢江沿いのヨシ原は、映画のロケ地として人気のスポットの一つ。丹陽郡佳谷面の徳泉里から香山里まで、南漢江に沿って10.8キロにわたってヨシが群落を形成している。映画『チョン・ウチ 時空道士』(2009)で、チョン・ウチ(カン・ドンウォン)が海を見たいというヒロインのために道力を使ってヨシ原を海に変えるシーンを撮影した場所だ。映画『ビッグスウィンドル』(2004)や『タチャ イカサマ師』(2006)、『霜花店(サンファジョム)-運命、その愛』(2008)、ドラマ『イルジメ-一枝梅』(2008)もここで撮影された。 佳谷面事務所があるサピョン村一帯のヨシ原(1.4キロ区間)は、最も人気の高い散策コース。散策路や休憩所、駐車場などがあり、余裕を持って散策を楽しむことができる。ヨシが本格的に銀色に輝き始める10月半ば以降、青い空、南漢江、ヨシ原が一緒になった秋の絶景が見ものだ。 温達観光地は時代劇のロケ地として脚光を浴びている場所。温達と平岡姫の物語でよく知られる高句麗第25代・平岡王の娘、平岡姫とその夫・温達将軍、高句麗の歴史を感じられる場所でもある。温達将軍が築いたといわれる温達山城、温達将軍が修練を積んだとされる温達洞窟とともに、高句麗を舞台にしたドラマのセットがある。隋や唐風の異国的な建築物を再現したセットでドラマ『淵蓋蘇文』や『太王四神起』をはじめ『六竜が飛ぶ』『麗〈レイ〉~花萌ゆる8人の皇子たち~』『花郎』などの撮影が行われた。ここを中心に9月29日から10月1日まで、温達文化フェスティバルを開催。「温達山城戦闘遊び」「高句麗武芸実演」「高句麗服飾・露店体験」「伝統弓・木剣づくり体験」など、さまざまな公演や体験イベントがある。

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