41年間にわたり一般人の立ち入りが禁じられていたソウル市麻浦区の石油備蓄基地が「文化備蓄基地」として生まれ変わり、9月1日にオープン。

 ソウル市は1973年の第一次オイルショックを受け、1978年にメボン山のふもと(麻浦区城山洞)に高さ15メートル、直径15-38メートルのタンク5基をつくり、ガソリンやディーゼルなど6907万リットルを備蓄してきた。その後、2002年サッカー・ワールドカップ韓日大会を前に麻浦区上岩洞にスタジアムが建設されることになり、安全上の問題から、石油備蓄基地は2000年11月に閉鎖された。そして10年以上、事実上放置されてきた。市は2015年12月から文化備蓄基地の工事に取り掛かり、1年9カ月後に完成。予算およそ470億ウォン(約47億円)を投じ建設された文化備蓄基地は、敷地の中央にある文化広場(3万5212平方メートル)を6基のタンク(10万4810平方メートル)が囲んでいる。総面積(14万22平方メートル)はサッカー場およそ20個分の広さ。これに先立ち、臨時駐車場だった空間は夜市や音楽公演などが開かれる文化広場に生まれ変わった。

 市は既存のタンク5基の円形を最大限生かしながら、さまざまな活動ができる空間にした。第1タンク(554平方メートル)は鉄の外壁をはがしてガラスのドームとし、公演や講義が可能な多目的空間へとリニューアルした。

 最も大きい第2タンク(2579平方メートル)は公演場になった。第1、第2タンクから出た鉄板は、以前はなかった第6タンクを新たにつくるのに使われた。コミュニティーセンターである第6タンクにはカフェ、会議室、講義室などがある。第4タンクはメディア展示など複合文化空間として活用される。

 市は石油備蓄基地の歴史も保存する方針だ。最も奥に位置する第3タンクは、当時の姿そのまま残される。また、第5タンクには昔の石油備蓄基地の建設から文化備蓄基地に生まれ変わるまでの歴史を収めた品々が展示されるという。

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