建ち並ぶパブやサーフショップからにぎやかな音楽が流れ、青い海で波と一体化しているサーファーたちが恋に落ちる場所、それが竹島(江原道襄陽郡)のビーチだ。

 「サーファーたちの天国」と言われるハワイ・ワイキキには劣るかもしれないが、江原道襄陽郡の竹島一帯は、釜山、済州と並んで韓国のサーファーたちの聖地として注目されている。釜山や済州に比べ首都圏から近いのが最大の利点。ソウル-襄陽を結ぶ東西高速道路が開通し、最近では朝早くソウルから襄陽を訪れ、サーフィンを楽しんだ後、その日のうちにソウルに戻る若者たちも多い。竹島のビーチは「襄陽の経理団通り」「襄陽の街路樹通り」と呼ばれ、襄陽サーフロードの中心にある。
 

 竹島・銅山港・仁邱地区の住民たちによると、竹島一帯は200年代末まで、何の変哲もない静かな漁村だったという。住民たちが営む小ぢんまりとした海水浴場はほとんど知られておらず、知っている人が訪れるくらいだった。静かな漁村に変化が訪れたのは2009年、竹島のビーチから銅山港に続く海辺にサーフショップ「ブルーコースト」がオープンしてからだ。サーファーたちの間で「襄陽サーフィンスクールの開拓者」と呼ばれるブルーコースト代表、チョン・ヒョンソプさん(48)は「サーフショップをオープンした当時、竹島、銅山港、仁邱のビーチなどは地図によって表示すらされていないこともあった」と話す。

 このエリアのビーチ文化地図が本格的に変わり始めたのは3、4年前。竹島から銅山港海水浴場へと続くアーチ型の湾に広がるビーチに沿ってサーフショップが1軒、2軒と営業を始めた。自然とサーファーたちが気軽に食べられるようなメニュー、ビールを販売するパブやゲストハウスなどができていった。現在、江原道のサーフショップおよそ60軒のうち、40軒ほどが襄陽にあり、半分以上が竹島・銅山港・仁邱地区に集まっている。

 仁邱中央通りに沿ってサーフショップめぐりやグルメ探訪をするのが、サーファーではない一般の旅行客の間でも襄陽旅行の人気コースとなっている。今では仁邱中央通りのほか仁邱通り、セナル通り、仁邱港通りなど路地にも名店が続々とできている。

 腕のある料理専門家たちが出す名店というよりは、ここに定着したサーファーが料理を学んでオープンする店が多い。飲食店の店主の中には元スノーボード韓国代表、現役のサーフィン講師として活動している人もかなりいる。サーファーが営む名店は、サーフィン大会への出場など、店主の事情によって自由な営業形態をとっているため、夏のシーズン以外は店を休んでいるケースもある。

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