「K-CON LA 2017」が行われていた19日(現地時間)のロサンゼルス・コンベンション・センター(米カリフォルニア州)。中に入るとすぐ、日本のトヨタの展示場が入場者を出迎えた。今年で4年目となるK-CONのメインスポンサーとして参加しているトヨタは、若い消費者に人気の小型スポーツタイプ多目的車(SUV)「C-HR」を展示し、そのすぐ隣でK-POPダンス・コンテストを開催した。トヨタの隣に展示場を設けた米国の保険会社ステートファームは6月にニューヨークで開催された「K-CON NY」会場をバーチャルリアリティ(VR =Virtual Reality)コンテンツとして製作し、ロサンゼルス会場を訪れた入場者たちに披露した。トヨタの関係者は「K-CONは人種・地域に関係なく流行に敏感な消費者が集まるので、ブランドをPRするのに大いに役立つ」と語った。

 18日から20日までロサンゼルス・コンベンション・センターとステイプルズ・センターで韓国文化コンテンツ展示会「K-CON LA 2017」が開催された。今年のK-CON LAにはトヨタやステートファームのほか、米国2位の移動通信会社AT&T、韓国のLG電子や錦湖アシアナなどスポンサー企業69社と中小企業170社以上が参加した。入場者は8万5000人に達し、過去最大規模を記録した。エンターテインメント大手企業のCJ E&M関係者は「今回のK-CON LAとK-CON NYの売上は105億ウォン(約10億円)、営業利益は5億ウォン(約4800万円)を記録、初めて黒字を出した。単なるプロモーションではなく、本格的な収益事業として定着しつつある」と言った。

■音楽からグルメまで「韓国ホリック」になった米国

 広さがサッカー場4面分のロサンゼルス・コンベンション・センターとステイプルズ・センターで行われたK-CON LAは、海外で人気が高いK-POPアイドルたちのコンサートと共に韓国料理・韓国化粧品などを販売するスペースやグローバル・スポンサー企業の展示スペースなどがあった。また、会場のあちこちでK-POPダンス・コンテストや韓国料理作りなどの文化体験イベントが行われた。19日と20日の二日間にわたりステイプルズ・センターで開催されたK-POPコンサートにはWanna One、Seventeen、VIXX、Girl’s Dayなど韓国のアイドルグループ14組が登場、現地のファン約2万9000人と対面した。

展示場の中では韓国料理や化粧品を買うために行列する人々が目に付いた。アモーレ・パシフィックの化粧品ブランド「イニスフリー」展示ブースにはマスクパックやクレンジング製品を試してみようと数十人が並んでいた。米サンディエゴから来たエマさん(26)は「いろいろな化粧品を安く買うことができるし、無料サンプルもたくさんもらえるので、毎年K-CONに来る」と言った。

 CJ第一製糖とCJフードビルは韓国ギョーザ・のり・キムチ・各種パンをPRした。CJフードビルの韓国食品ブランド「bibigo」はカリフォルニア州ロサンゼルス・サンディエゴ・トーランスなどに支店を出し、米市場を攻略しようとしている。また、会場の外に設けられた「K-FOODロード」にはトッポッキ(もちのトウガラシみそいため)・のり巻き・揚げ物などの屋台料理から焼肉・ビビンバなどの韓国料理店20店舗が並び、入場者を出迎えた。ロサンゼルス・コンベンション・センターで行われた韓国料理教室にも100人以上が集まった。

■「K-CONを中小企業の海外進出前進基地に」

 K-CONは韓国文化をPRするイベントにとどまらず、中小企業の先進国市場攻略の足掛かりとなる前進基地でもある。CJ E&Mは中小ベンチャー企業部(省に相当)や韓国貿易協会と共に韓国中小企業68社を選抜、米現地バイヤーと会う輸出相談会を2回開催した。CJ E&Mによると、17日に開かれた輸出相談会だけで355件の輸出相談が行われた。韓国の中小化粧品メーカー「Mustaev」のデビッド・カン取締役は「米国の化粧品市場トレンドをリードする顧客と真っ先に大勢会えるのがK-CONだ」と話す。CJ E&Mのシン・ヒョングァン音楽コンテンツ部門長は「この6年間でK-CONは韓国文化のグローバル化をリードするイベントに成長した。今後はK-CONを韓国の中小企業が世界に進出する前進基地に成長させたい」と抱負を語った。

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