月火ドラマ『Fight For My Way』(KBS第2)の主人公ペク・ソルヒ(ソン・ハユン)とキム・ジュマン(アン・ジェホン)は、「現実恋人」という別名でも呼ばれた。ホームショッピング会社の社内カップルという設定の二人が、俳優同士実際に恋人同士へ発展はしていないけれど、平凡な職場の男女の愛をありのままリアルに表現してくれた、という意味だ。

 視聴者の共感を得たことで、番組は7月11日に同時間帯視聴率トップ(13.8%、ニールセン・コリア調べ)で有終の美を飾った。6年間ひたむきだったソルヒが、別の女性の登場で揺れるジュマンと別れようか悩む話では、ソルヒに感情移入する視聴者から「別れろ」というコメントが殺到したこともある。ソン・ハユン(30)=本名キム・ミソン=は、7月18日のインタビューで「誰もが抱えている悲しみや痛みの記憶、未練といったものが、ソルヒと似ていたみたい。ソルヒを見た視聴者が慰められるようにという思いで、演技に一層集中するようになった」と語った。

 ソン・ハユンは「ソルヒとして暮らしている間」という表現を繰り返し使った。「普段は、撮影が終わると空虚でした。作品中のキャラクターは感情の消耗が激しいのに、ソン・ハユンに戻るとそうではないですから。ソルヒは、そんな断絶感がなくて不思議でした」。ソン・ハユンは「(恋愛対象と)うまく付き合えていないからなのか、実際にもソルヒのように、愛に完全にのめり込みがち」と言って笑った。

 ジュマンは、インターンのチャン・イェジン(ピョ・イェジン)の登場で心が揺れる。恋愛感情が揺らぐほど、ジュマンにとってあまりにも気楽な存在になってしまったソルヒの姿を表現しようと、番組では4着の衣装しか身に着けなかったという。「長い付き合いになると、(外見の装いが)ちょっとおそろかになりませんか?」

 ソン・ハユンは、高校時代から雑誌やCMへ顔を出し、芸能界にデビューした。デビュー以来10年近く使ってきた「キム・ビョル」という芸名で覚えている視聴者も、いまだに多い。その名前で女子高生のような若い役をよく引き受けたが、いつまでもそこにとどまってはいられないと、名前を変えたという。ソン・ハユンは「キム・ビョルはキム・ビョルなりに一生懸命生き、今はまたソン・ハユンの人生があるので後悔はしていない」と語った。

 ペク・ソルヒがソン・ハユンにとって「人生キャラクター」になった、という声もあるが、ソン・ハユン自身は「ソルヒとして一生懸命暮らしている間、幸せだったというだけ」と語った。それでも「普段は、作品が終わるとすぐに(キャラから)抜け出す方だけど、ソルヒはもうちょっと長く収めておきたい」と語った。次回作も、時間を置いて選ぶ考えだという。「私を見ようと時間を作る視聴者に、幸せな一時をお届けしなければいけませんからね。(オファーが)来るがまま急いでやるより、もうちょっと、自分を鎮めて整えたいです」

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