5月30日午後10時、ソウル市江南区にあるラウンジバー「D Bridge」。愛犬を連れた人たちが一人、二人とやって来て、テラスに向かった。柵で囲われた場所に、マルチーズやダックスフント、ブルドッグなどおよそ20頭と飼い主が集合。同所ではこの日、ペットと飼い主が一緒に遊べる「Dペット・パーティー」が開催された。ダックスフント3頭を連れてやって来た大学生キムさん(24)は「ドッグカフェではお酒が飲めない。音楽を聞きながら夜遅くまでペットと遊ぶことができて楽しい」と語った。

 クラブやカフェ、ホテルでペットとパーティーを開く人が増えている。会社員キム・イェリンさん(27)はこの日、同僚と一緒にマルチーズのタルニムを連れてバーを訪れた。キムさんは「最近仕事が忙しくてタルニムとあまり遊んであげられなかったが、遅い時間にバーで友人と会い、タルニムとも一緒に時間を過ごすことができてうれしい」と語った。

 ここではペットたちが紙コップに入った飲み物をペロペロなめる姿が目を引いた。犬が飲むことができる「ドクテル(ドッグ+カクテル)」だった。アルコールの代わりに、泡立てた犬用ミルクを入れた後、フルーツパウダーを加えたり、犬用ヤギミルクに細かく刻んだブロッコリー、人参を加えたカクテルなどがあり、価格は2万5000ウォン(約2500円)。「D Bridge」の関係者は「最初はほかのお客さまが犬を嫌がるのではないかと心配だったが、一緒に写真を撮ったりして楽しむ人の方が多い。今後も毎週火曜日にこうしたパーティーを開催していく予定」と話している。

 ソウル市江南区にあるホテル・カプチーノは5月27日、「犬人共感」パーティーを開催。ホテル1階にあるカフェや野外テラスで写真コンテストを実施したり、飼い主の服をペットの服にリメークするサービスを行ったりした。パーティーには犬70頭と飼い主ら100人が参加した。ビション・フリーゼのマルを連れてパーティーに参加したチョさん(33)は「マルを通じてほかの犬の飼い主さんと友人になった」と語った。ホテルには動物保護団体KARAのブースのほか、ペット服など関連商品を扱うメーカーのブースもあった。このホテルはオープン当初から、ペットと泊まることができる部屋を設けた。ホテルでペットのバースデーパーティーを開催するケースもあるという。ホテル・カプチーノの関係者は「海外ではホテルやクラブでペットとともに楽しむパーティーを開くことがよくある。韓国でもペットを飼う人の数が1000万人を超えており、今後こうした人たちを対象とした、特化した商品やサービスがよりいっそう増えるものとみられる」と語った。ソウル大学心理学科のクァク・クムジュ教授は「ペットに多くの関心と愛情を注ぐ人同士、同質感を覚え、親しくなりやすい。しかし、高級ペット文化が新たな差別を生んだり、違和感をもたらす原因になりかねない」と話している。

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