コースにつながっており、多くの愛好家たちがサイクリングを楽しんでいる。川辺はもちろん、廃線区間、トンネルなどを生かしたこの地域の自転車道は、独特の趣と面白さを誇る。コースはだいたい平坦で、休憩所などの施設も備えられている。週末には京春線・中央線・京江線などに自転車を載せて移動することができるので、日帰りで長距離サイクリングを楽しむのに便利だ。

◆週末、電車に自転車を載せて遠征

 南漢江自転車道は、国道を巡る自転車愛好家たちに人気だ。多くの人たちがソウルを起点に、漢江に沿って八堂ダムや両水里一帯まで走る。中央線で気軽に移動できるため、週末になると八堂駅を出発点にする人もいる。

 最近では京江線が驪州まで伸び、選択の幅が広がった。南漢江コースはあまり傾斜がないため、体力の負担が少ない。京畿道安山市在住のパク・ブンヒさん(53)は「川に沿って涼しい風を受けながら走るとストレス解消になる。周辺の観光スポットにも立ち寄れば、楽しい日帰り旅行ができる」と語った。南漢江・北漢江自転車道が分かれる雲吉山駅周辺には「明るい広場」がつくられ、ランドマーク的役割を果たしている。水辺のデッキや休憩所、バイクカフェ、トイレなどがある。

◆廃線区間、トンネルなど異色の道

 楊平郡の北漢江鉄橋から驪州市・梨浦堰まで33.1キロの区間は、南漢江コースのうち一番に挙げられる。中央線で廃線となった区間など、錆びついた線路の脇に舗装された自転車道が川に沿って続く。トンネル8個を通過するときは、時間をさかのぼって過去に向かうような気分になる。

 南楊州市の八堂湖畔にある実学者・丁若鏞(チョン・ヤギョン)の遺跡、南漢江と北漢江が合流する両水里、楊平郡・洗美苑など、周辺の観光スポットも外せない。春には八堂湖一帯でさまざまな花が咲き乱れ、1枚の水彩画のような風景が広がる。フォトスポットとしても知られる両水里は、美しい川辺の村の風景を誇る。近くにある楊平五日市場、楊平郡立美術館、昆虫博物館なども見逃せない。

◆都心を流れる川の堤防を走り自然を感じる

 驪州・婆娑城-梨浦堰-驪州堰-世宗大王陵-康川堰-康川島コースは、家族連れや恋人たちにピッタリ。梨浦堰・驪州堰・康川堰など、4大河川(漢江・洛東江・錦江・栄山江)再生事業によって造成された施設の独特な姿が目を引く。

 梨浦堰は、シラサギの羽根の上に卵をのせた形をしている。驪州堰の稼動堰の柱は、世宗大王時代につくられた水時計(自撃漏)を模している。日時計である仰釜日き(こうふにっき)の形を生かした世宗広場もある。康川堰は、漢江の名物だった黄布帆船を形状化したものだ。

 キャンプ場としても活用されている康川島は広さ57万平方メートル。春には菜の花、秋にはコスモスや菊が咲き乱れ、見事な風景が広がる。周辺に世宗大王陵、神勒寺、黄鶴山樹木園などの見どころがあるほか、マッククス(そば粉冷麺)、驪州産米のご飯、淡水魚を使ったメウンタン(海鮮辛味鍋)などのグルメも楽しめる。

 水原市などを流れる黄口池川の自転車道は、生態河川の堤防に沿ってできている。毎年桜祭りが開催されるこの場所は、都会の中心でありながら、人工的な痕跡を最大限排除し、自然な雰囲気を生かしている。

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