ポン・ジュノ監督の新作映画『オクジャ』の初公開となるカンヌのメディア試写会が、わずか8分で上映中断になった。

 19日午前8時30分(現地時間)、カンヌのシアターリュミエールで『オクジャ』のメディア試写会が始まったが、拍手や歓声、やじが続いたため、わずか8分で映画の上映が突然止まった。

 異変が始まったのは、カンヌの公式トレーラーが紹介され、「NETFLIX」のロゴが出てきてから。NETFLIXのロゴが出てくると、取材陣の間から拍手とやじが同時に沸き起こった。

 映画が上映されているにもかかわらず、拍手とやじは収まらず、あちこちから「ストップ」「ストップ」という大声が上がった。結局、映画祭サイドはわずか8分で『オクジャ』上映を止めた。

 こうした騒動は、『オクジャ』をめぐる今回のカンヌ国際映画祭の反応をそのまま縮小したようなものだ。『オクジャ』は、動画ストリーミングサービス大手のNETFLIXで制作したオリジナル作品。スクリーンで上映されることを原則とする従来の映画とは異なり、ストリーミングサービスを前提に制作された。

 19日の『オクジャ』のメディア試写会は、上映が中断されてからわずか10分で再開された。円滑な鑑賞のため、一時的に上映を中断し、再び進行させたものとみられる。上映が再開されると、拍手とやじは消えた。

 カンヌ招待から初公開に至るまで、絶えず騒動を起こしている『オクジャ』が、審査委員長が反対している中で果たしてトロフィーまで行き着けるがどうか、見守らなければならないようだ。どうやら、『オクジャ』が今回のカンヌ映画祭最大の話題作であることは間違いないらしい。

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