最大野党「共に民主党」の韓国大統領選公認候補に決まった文在寅(ムン・ジェイン)前代表が9日、すい臓がんで死去した女優キム・ヨンエさんを悼んだ。

 文在寅氏はこの日、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック」で「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の若いころが思い出されるからだろう。我々のそばを去る最後の瞬間まで演技に情熱を燃やした故人だからこそ、突然の別れに悲しみが大きい」と故人の冥福を祈った。

 キム・ヨンエさんは2013年に盧武鉉元大統領をモデルにした映画『弁護人』に出演したのがきっかけで、文在寅氏と知り合った。キム・ヨンエさんはこの映画で、反独裁運動に参加して警察に連行され、拷問を受けた若者の母親スネ役を熱演した。『弁護人』は入場者数約1100万人を記録、これはキム・ヨンエさんが出演した映画の中で最もヒットした作品となり、翌14年の青龍映画賞ではキム・ヨンエさんに助演女優賞が贈られた。

 文在寅氏は「(芸能関係者)ブラックリストを作った朴槿恵(パク・クネ)政権下で、大衆的人気のある故人が『弁護人』に出演するのは容易ではなかった。事実、『弁護人』の撮影後、故人は『私は政治色のある人間ではなかった。だから借りができたという思いもある。自分の利益を捨て、真実あるいは正義のためにどれだけ考えたことがあるのか、振り返るようになった』と吐露した」語った。

 文在寅氏はさらに、「その後、私は故人に映画『明日へ』(原題:『カート』)と『パンドラ』で再び会った。故人の非凡な演技力でなければ、労働者や母親という平凡な役で大きな感動を与えることはできなかっただろう」と回想した。『明日へ』は大型スーパーの非正規労働者に対する差別を、『パンドラ』は原子力発電所の危険性を警告した映画だ。

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