【ソウル聯合ニュース】主演ドラマ「ボイス」(原題)で野性味あふれる刑事を演じ好評を得た俳優、チャン・ヒョクが23日に公開される映画「普通の人」(原題)で、国家のためには危険を顧みない冷血漢を演じる。

 チャン・ヒョクが演じるキュナムは国家安全企画部(現在の国家情報院)の室長。国民の目を政治からそらすために連続殺人事件を捏造(ねつぞう)するなど、様々な政治工作を行う。

 チャン・ヒョクは21日、ソウル市内で行われたインタビューで「二つのキャラクターはとても違う。このように別の色のキャラクターをほぼ同じ時期に見せることができるということや、このような作品を通じて私が持っている多様な色を見せることができるのは、俳優として本当に良いこと」と話した。

 また「キュナムは感情がないキャラクターで、その時代が作り出した一つのシステム。それで乾いたゆっくりした口調で必要な言葉だけ投げかける演技をした。映画でこの人物は動かない。常にベール中にいて、状況が明らかになるとその中心にこの人物がいる。だからこのようなキャラクターはかえって見せないほうが良いと考えた」と説明した。

 チャン・ヒョクは同作品に親しい俳優のソン・ヒョンジュがキュナムと対立する主人公のソンジン役で出演するという理由だけで出演を決めたという。

 「ソン・ヒョンジュさんとはドラマ『いかさま師~タチャ』で共演したが、その時は作品や演技について話をする余裕がなかった。それで映画で共演したいと考えていた。映画で主人公と対立する人物を演じてみたいという考えもあった。これまで演じたことのない役で、役作りに興味があった」と振り返った。

 チャン・ヒョクは映画が完成した後、観客として見るとキュナムが本物の悪人だと感じたとし、「キュナム」という役を嫌っても、自分のことは嫌わないでほしいと話した。

 映画は1987年を背景に、平凡な父親で、凶悪犯罪を担当する刑事のソンジンが安全企画部室長のキュナムが主導する工作に巻き込まれていく過程を描く。常識が通じなかった時代に平凡に生きようとした「普通の人」の話だ。

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