スターインタビュー
楽譜使わずメモで作曲、楽童ミュージシャンの人気の秘密は
「今すぐ作曲をやめたとしても、今後5年間アルバムに収める曲は書いておきました。分量でなく、どれだけ実のある曲を収めるかが問題ですけどね」
4日、ソウル市麻浦区・YGエンターテインメントのスタジオにて。兄妹デュオ「楽童ミュージシャン」の兄、イ・チャンヒョク(20)の言葉を書き留めて、ちょっと耳を疑った。最近3rdアルバム「思春期・下」を発表した直後のインタビューだった。チャンヒョクと妹のイ・スヒョン(17)の2人からなる楽童ミュージシャンは、2013年にオーディション番組『Kポップスター』で優勝して以降、フルアルバムだけでも3枚発表した。CM音楽やハングル愛キャンペーンソングまで合わせると、発表曲はおよそ40曲に上る。3rdアルバムのリード曲「長い日、長い夜」は、6日のリリース直後、4つの音源チャートでトップを取って人気急上昇中だ。2人に創作の秘訣を尋ねた。
■楽譜は全く使わない
兄チャンヒョクの楽器はギター、妹スヒョンはピアノだ。しかし、この兄妹2人は、作詞・作曲するとき楽譜を使わない。スヒョンは「もちろん、音符は読めると思うが、楽譜を使って作曲したり演奏したりするやり方は不便」と語った。兄チャンヒョクは、ギターを弾きながら曲を書いた後、歌詞と簡単なギターコードだけを書き留める。口ずさんでいた旋律は携帯電話で録音しておくけれど、聞き直したりはしない方だ。簡略なメモで曲を書く2人のユニークな創作スタイルのため、しばしば編曲担当者も苦労する。しかし、慣習的なコード進行から抜け出す斬新な発想やテンポのよいリズム感覚は、こうした作業方式の産物だ。
■他人と同じ曲は避ける
チャンヒョクは「新しいメロディーが思い浮かんだら、他人と同じ曲じゃないかと本能的に疑い、避けようと務める」と語った。デビュー前から「盗作はいけない」と誓い、そこから生まれた習慣だ。このため、6カ月間1曲も書けなかったこともある。チャンヒョクは「メロディー進行が他人と違うのは、生き生きとしていて新鮮という点では強みだが、場合によってはすぐに飽きられかねないという弱みもある」と語った。3rdアルバムのリード曲「長い日、長い夜」のように、「このごろは、カラオケでも歌いやすい曲を書こうと務めた」という。
■ジャンルを問わずに聞く
デビュー前から兄チャンヒョクが最も好んで聞いていたジャンルは、ヒップホップだ。インタビューでも、C JammやBeenzino、Epik Highまで、好きな韓国ヒップホップアーティストの名前が次々と出た。最近ではジャズやリズム&ブルース(R&B)、ロック、クラシックまで、ジャンルを問わずに聞く。そのせいか、昨年発表したアルバム「思春期 上」では、ジャズやR&Bの気配も漂った。
■歌詞は日記を書くように
楽童ミュージシャンの強みの一つは、手に取るように具体的な描写で一杯の歌詞だ。「魅力学科でも専攻なさったか/ダイエット中に出くわしたチキンより魅力あり」(「魅力がある」)、「歩くの面倒で、横になったままあちこち磨いてみると、しなくてもいい、雑巾で」(「ラーメンなのか」)のように、つい見逃しそうな些細な日常をとらえて歌詞に採用する才能が際立っている。妹のスヒョンが「兄はなかなか本を読まないのに…」と暴露するや、すぐになんだかんだと言い争いを始める姿は、確かに実の兄妹だ。作詞の秘訣について、チャンヒョクはこのようにほのめかした。「できるだけ、日記を書くように歌詞を書こうと努力する」と。