女優シム・ウンギョンが、映画の興行について率直に気持ちを語った。シム・ウンギョンは10月13日、ソウル市鍾路区八判洞のカフェで映画『歩き王』のインタビューに臨み、「今では興行よりも、演技に対する自分の満足感の方が大事になった」と語った。

 子役出身のシム・ウンギョンは、2011年の映画『サニー 永遠の仲間たち』、12年の『王になった男』、14年の『怪しい彼女』で「最年少ヒットクイーン」と呼ばれるようになった。特に『怪しい彼女』は、青春を取り戻した70歳の老婆の「第2の全盛期」を描いた作品で、観客動員866万人という大ヒットを記録した。

「『怪しい彼女』で、とても大きな数字を経験しました。大勢の方が好きになってくださって、その時から『私がちゃんとやらないといけない』という思いに囚われるようになりました。その気持ちは、演技をするときに重心をぶれさせるようです」

 シム・ウンギョンは、ドラマ『のだめカンタービレ~ネイル カンタービレ~』と映画『君を待ちながら』で、人生初の失敗にぶつかった。シム・ウンギョンにとっては、多くの悩みと思いを抱える時間だったが、内面的に成熟するきっかけにもなった。

「自分がちゃんとやれるか、できないか、興行がうまくいくか、いかないかを考えながら演技してはいけないねと、そのとき自然と悟りました。あれこれ計算せずに心の中から湧き上げってくる演技をしてこそ、見ている人も私の真心に接することができると思いました」

 俳優という職業的特性ゆえに、興行から完全に自由にはなり得ないが、興行への負担感をある程度振り払ったシム・ウンギョン。彼女は自分自身について「肩の荷を下ろす途中」と語った。その過程で『ロボット、ソリ』と『ソウル駅』にて声の演技に挑戦し、『釜山行き』ではゾンビの演技に挑み、観客動員1000万という大作映画の冒頭をインパクトあるシーンで飾った。

 シム・ウンギョンは、自分が基準にしたい興行成績についても言及した。シム・ウンギョンは「観客の数に関係なく、作品に対してどれだけしっかり努力したか、後悔なく演技できたらそれでいいと思う。最終的には、俳優としての満足感が一番重要だろう」と語った。

 シム・ウンギョンが次回作に選んだ映画は、10月20日に公開される『歩き王』だ。この映画は、生まれつき乗り物に弱いため往復4時間歩いて通学する女子高生「マンボク」が、競歩に挑戦する過程を描いた作品。この映画は、マンボクという女子高生を通して、無限の競争社会の中で自我について悩む一時を持たせる作品だ。

「マンボクのように、ひところ気が急いていたこともありました。早くキャリアを積んで認められなければならないという思いから、家族や周りにとげとげしく振る舞ったりもしました。『歩き王』は、肩の荷を下ろして自分を振り返らせる映画です。いつの間にかなくした初心を取り戻させる、癒しになる映画です」

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