ソウル行政裁判所行政第1部(キム・ヨンチョル裁判長)は30日、入国禁止状態にある歌手ユ・スンジュン氏(40)=写真=がビザ発給拒否処分の取り消しを求めて政府を相手取り起こした訴訟で、原告敗訴の判決を下した。

 1990年代末の人気歌手だったユ・スンジュン氏は、出演した番組などで複数回、「入隊する」と表明していた。しかし、公益要員招集通知を受けた直後の2002年1月に突然、米国の市民権を取得し、兵役を免除された。これに対して当時の兵務庁長は法務部(省に相当)に同氏の入国禁止を要請、法務部は同年2月に入国禁止措置を下した。

 入国が禁止され、韓国で芸能活動ができなくなった同氏は、中国などで活動していたが、昨年5月にインターネット・テレビで「兵役を務められる方法があるなら兵役に就き、韓国国籍も回復したい」と泣きながら謝罪した。ところが、放送直後もマイクのスイッチが入ったままだったのに気付かず、ののしり言葉などが混じった同氏の会話が中継されてしまい、再び非難を浴びていた。

 ユ・スンジュン氏は昨年9月、米ロサンゼルスの韓国総領事館に在外同胞ビザ(F-4)を申請したが拒否され、韓国に行くビザを発給してほしいとして訴訟を起こしていた。裁判所は、「ユ・スンジュン氏は公益要員招集通知を受け取り、招集期日が迫っていた時に出国し、米国の市民権を取得したことなどを考えると、米国の市民権を取得した目的は兵役回避だったと見られる」と判決理由を述べた。

 

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