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いつも問題になる「旭日旗」とは何なのか?
少女時代のメンバー、ティファニーが最近、写真共有ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「インスタグラム」に日章旗とハートマーク、旭日旗がデザインされた絵文字を載せ、いわゆる「戦犯旗騒動」を引き起こした。問題の絵文字は掲載からわずか5分で削除され、ティファニーは急いで自筆の謝罪文をアップしたが、事態の拡大を食い止められず、最終的にはテレビ番組からの降板にもつながった。
旭日旗が原因で芸能人が騒動に巻き込まれるのは、今回が初めてではない。Girl’s DayのヘリやBIGBANGのT.O.P、BEASTのチャン・ヒョンスン、4minuteのヒョナ、VIXXなど、旭日旗のデザインを借用したTシャツ、ジャンパー、帽子などを着用してテレビに出演したり、着用写真が公開されたりして袋叩きに遭った芸能人は一人や二人ではない。
旭日旗をめぐる問題が繰り返されるのは、ほとんどが歴史を知らないことによるもので、旭日旗を「単なる日本の象徴」、あるいはデザインがかわいい作品、くらいに認識しているからだ。こうしたミスを防ぐためにも、旭日旗が何なのか、旭日旗の使用がなぜ間違っているのかを知る必要がある。
旭日旗とは、日章の周囲に、広がっていく日光を形象化した日足紋(光条)を描いた旗だ。日足紋は、日本では昔から武家の紋章や漁船の大漁旗として用いられてきた伝統的な紋様だが、日足紋が描かれた旭日旗が現在問題になるのは、太平洋戦争を起こした旧日本軍がこの旗を象徴として使っていたからだ。旭日旗という名前にも、「朝日が上る勢いで帝国を築く」という、日本帝国主義の思想が込められている(原文ママ)。
すなわち旭日旗は、ナチス・ドイツの象徴だったハーケンクロイツと同じ、戦争犯罪人が作り出し、使用した「戦犯旗」なのだ。しかし、ドイツが過去の誤りを悔いてハーケンクロイツの使用を徹底して禁じたのとは異なり、日本は戦争および侵略の歴史に対する反省なしに、現在まで旭日旗を堂々と使っている。現在、旭日旗は自衛隊の旗となり、またスポーツの応援の旗や大衆文化商品のマーケティング用にも広く使われている。
戦争を起こして世界の人々に大きな被害を与えた日本が、歴史的悔悟なしに旭日旗を使い続けているのも問題だが、もっと問題なのは、最大の被害者だった韓国人すら、この旗がなぜ問題なのかを知らないということだ。かつて日本によってむごい時代を過ごし、まだきちんとした補償や謝罪もなく、その痛みを抱えて生きている人々がいることを考えると、戦犯旗たる旭日旗を敢えて使ったり擁護したりはできないだろう。繰り返される旭日旗騒動に、今こそ、「歴史への無知」が免罪符になることがなくなればいいと思う。