スターインタビュー
インタビュー:「SHOW ME THE MONEY5」優勝、異色のラッパーBewhY
「こんにちは。1位の歌手BewhYです」
19日、ソウル市江南区新沙洞で開かれた記者懇談会の会場。Mnetのヒップホップ競演番組「SHOW ME THE MONEY5」で優勝したラッパーのBewhY(本名イ・ビョンユン、23)があいさつと共に姿を現すと、会場には笑いが広がった。現在のBewhYは、「1位の歌手」という自己紹介に値する。番組で発表した「XamBaqJa」「Day Day」「Forever」などの曲が相次いで音源チャートのトップに上り、BewhYは今年のヒップホップ界最高の期待株になった。審議委員として参加していたラッパーのサイモン・ドミニクが「BewhYの後光はオモチャではなかった。救世主にして具現者だった」と語ったほど。
悪口や汚い俗語に満ちた一般のヒップホップとは異なり、BewhYの音楽には、篤い信仰心を表現したものが少なくない。「俺の人生まさに神が作った芸術作品のfeaturing、俺の不完全さを利用する創造主のsymphony」という歌詞が登場する「The Time Goes On」のような歌が代表的だ。BewhYの新曲が発表されるたび、宗教家がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通して言及したり推薦したりするという、異例の現象も起きている。
19日の懇談会にも、BewhYはまるで軍人のように髪を短く刈り、小さな十字架のネックレスをかけた姿で登場した。BewhYは「信仰を持たない人がときどき俗っぽく表現するように、私は『イエス様野郎』だ。あの方(イエス・キリスト)の教えはとても尊く、キリストの教えを学んで実践するのが幸せ」と率直に語った。しかし、自分の音楽を「宗教音楽」という物差しで測ろうとする見方には同意しなかった。BewhYは「自分の考えや信念を音楽に込めようとはするが、信仰がほかの人に拒否感を与えないよう、共通部分を探そうと骨を折っている」と語った。サイモン・ドミニクは「久々に聞く、善きヒップホップの魅力がある」と語った。
信仰心だけがBewhYの魅力ではない。ずっしりしていて迫力ある重低音、絶えず変化するユニークなリズム感、正確な歌詞伝達力、そして番組で見せたピアノ演奏の腕前に至るまで、BewhYは今年、テレビを通してあふれる才能を遺憾なく発揮した。同僚ラッパーのGRAYは「最高のラッパーという表現でもまだ足りない。BewhYは音楽を操るアーティスト」と評した。「SHOW ME THE MONEY5」の演出を担当したプロデューサーのチェ・ヒョジン氏は「明け方の5時や6時にも文字メッセージを送って、練習したり作業の状況を知らせてきたりするほど、真剣味にあふれた出演者だった」と語った。芸名の「BewhY」は、ビョンユンという本名の略字(BY)から着想を得た。BewhYは「『存在理由になろう(Be Why)』という意味も込めた」と語った。
昨年、BewhYは番組の3次予選で脱落した。今年は「再挑戦」だったわけだ。BewhYは「昨年、番組で落ちた後、自分で自分を低く評価しているのではないかと振り返ってみた」と語った。自尊心を取り戻してこそ、優勝の心理的な力になる、というわけだ。今年の準優勝者、ラッパーのCjamm(本名リュ・ソンミン)とは高校の同窓生でもある。BewhYは「『優勝のステージで会おう』と互いに約束していたが、そのおかげでこうなったのがうれしい」と語った。優勝以来、BewhYを迎え入れようとするプロダクション各社の競争も激しい。しかしBewhYは「まだ確定事項はない」と語った。19日の懇談会でBewhYが何度も口にした単語は、「信仰」と「大切」、そして「感謝」だった。