ホームレスからでたらめなダンスまで、笑いもアクションも自在に熱演するパク・シニャン配役ごとに徹底して研究し、没頭

 KBS第2テレビの月火ドラマ『町弁チョ・ドゥルホ』が大変な勢いだ。19日の第8話までの時点で視聴率12.1%を記録し、SBSの『テバク』(8.7%)、MBCの『モンスター』(8.1%)を大きく引き離した。地上波3局が同時に新番組をスタートさせて激しくぶつかる「月火ドラマ戦争」において、第4話で逆転に成功、以来トップの座を守り続けている。

 社会的弱者を代弁する弁護士が「強者の横暴」に立ち向かい、痛快な勝利を挙げる-という番組の面白さもあるが、パク・シニャン(47)という俳優の力が極めて大きく作用している。ホームレスから弁護士まで、喜いからアクションまで、図々しさと真剣さを自由自在に行き来するパク・シニャンのワンマンショーにほかならないドラマだ。「(放送時間の)60分間が60秒みたいだ」という感想であふれかえっている。『パリの恋人』『銭の戦争』『風の絵師』『サイン』と続くドラマ不敗神話を今回も受け継いでいる。

 パク・シニャンは、21日に放送を終えた『俳優学校』(tvN)に、演技を教える先生として登場した。バラエティー番組ではあるが、「非常に真剣で視聴率が出なかった」という評価が出るくらい、ドキュメンタリーに近かった。あふれるカリスマで「演技の神」「GODシニャン」とも称された。実際、パク・シニャンは8年前から、演技奨学生を選抜して奨学金を出し、演技も教えるという奨学会を運営している。

 パク・シニャンは『俳優学校』の生徒たちに「準備をしっかりやってこそ、よく理解でき、よく理解してこそ、自らを信じることができ、自らを信じてこそ、見ている人も信じることができる」と絶えず強調した。生徒たちが正確な答えにたどり着くまで「なぜ、どうやって、どれくらい」を強調し、しつこく掘り下げ、恐ろしいまでに追及した。「食べたいという感情が正確には何なのか理解したいのなら、理解できるまで飢えてみるべき」というような毒舌もためらわなかった。

 実際、パク・シニャンは完璧主義者として広く知られている。映画『ビッグ・スウィンドル!』のチェ・ドンフン監督は「書店の主人を演じるパク・シニャンは、町の書店を回ってきて『私が会ってみた書店の主人はこんな人でしたよ』と、キャラをつかんでいった。俳優がそこまでしっかり研究するのを見て感動した」と語った。また、ドラマ『サイン』を共同執筆したチャン・ハンジュン監督は「A4用紙で160枚分の配役研究資料を作ってきたのを見て、すごく驚いた。妥協しない大変な俳優」と語った。

 『俳優学校』もまた、初放送を前に、担当プロデューサーと共に2カ月間ソウル芸大の講義を聞き、番組の方向性を決めた。「チョ・ドゥルホ」弁護士の役作りでは、剛直なスタイルの検事、ソフトな性格の検事、大手法律事務所に通う弁護士、個人で事務所を開いている弁護士など、法曹関係者を細かく類型化してインタビューを行い、キャラクターを作り上げた。パク・シニャンは「準備した以上のものを演技で出すことはできない、というのが信念」と『俳優学校』で何度も強調した。

 キャラクターが毎回似ている、という批判もある。『風の絵師』の天才画家・金弘道(キム・ホンド)、『銭の戦争』の社債業者クム・ナラなど、一度決まると深く没頭するパク・シニャンの特性を踏まえた役が繰り返されている、というもの。パク・シニャンは、あるインタビューで「悪い役も必要ならやるが、その必要があまり生じない」と語ったことがある。「学校はうまくやるところじゃない、しくじるところだ。果敢に失敗することを目標にしよう」「絶対にやめてはいけない。一度やめると、習慣になる」など、『俳優学校』でパク・シニャンが残した言葉は「パク・シニャン語録」になってネット上に広まっている。「人生の師匠」という別名まで持つパク・シニャンは、次回作としてソン・ヘソン監督の映画を検討しているという。

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