17日に公開された映画『東柱(ドンジュ)』と『Like for Likes』の共通点は「カン・ハヌルが出演していること」。そう言われたカン・ハヌルは、手を左右に振り、語気を強めて謙遜してみせる。「映画界の優良株? それは言わないでください。期待株、優良株、そういうのは全て嫌です。あ、ハヌル時代というもも言わないでもらえませんか?」

 彼は称賛されると、どうしたらいいのか分からないと困惑した様子を見せる。「葉あいにそよぐ風にも心痛んだ」(「序詩」)詩人・尹東柱=ユン・ドンジュ=(『東柱』)や、恋愛を1度もしたことのないイ・スホ(『Like for Likes』)とかなり似ている。カン・ハヌルは「内向的な性格ではあります。でも、それほど小心でもないし、今まで異性と付き合ったことがないというのは、もっと違う。今まで一度も付き合ったことがないだなんて。ふふふ」

 イ・ジュンイク監督は、尹東柱役にカン・ハヌルを起用した理由について、「人間的にも、俳優としても、まっすぐで澄んでいるから」と説明した。カン・ハヌルは「尹東柱という人物に重点を置きませんでした。イ・ジュンイク監督と、僕たちが尹東柱にさまざまなイメージを作り上げていくのも暴力だという話をしたことがあります。色を出すより、取り除こうと努力しました」と語った。

 「それでも、尹東柱役はとても重荷で、大変だったので、本当に逃げてしまおうかと何度も考えました。紙切れ数枚で作られた台本が、ものすごく重かったです。最後の撮影が終わり、宋夢奎(ソン・モンギュ)役を演じたパク・ジョンミンさんと台本を上に放り投げ、抱き合って泣きました」

 2006年から舞台やミュージカルで活動してきたカン・ハヌルは、ドラマ『相続者たち』(2013)で顔を知られるようになった。そして、ドラマ『ミセン-未生-』のチャン・ベッキ役で一躍人気を博し、昨年は映画『セシボン』『純粋の時代』『二十歳』に相次いで出演。今年上半期には、ドラマ『月の恋人』に出演する。彼は「今の願いは、ドラマが終わった後、また舞台に立つこと。新しい活力になるので、年に1作ずつ出演するのが目標。薬の効き目が落ちてきたとき、また薬を飲もうとするのと似ている」と語った。

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