カン・ドンウォンがYGエンターテインメントとタッグを組んだ。デビューから10年近く所属事務所のないまま活動し、除隊後も小さな事務所に籍を置いていただけに、業界の関心が集まっていた。カン・ドンウォンがYGと専属契約をすると、同事務所は「海外進出を支援する」と公言した。カン・ドンウォンが活動の場を広げようとしているのはなぜだろうか。

 「海外進出の必要性については、デビューの時から話していました。韓国市場は小さすぎます。市場が小さいのでお金がないし、お金がないから制作環境が劣悪です。スタッフは現場であらゆる苦労をしているのに、食事もろくにできません。地面に座り込み、おにぎりでおなかを満たしている姿を見るたびに頭に来ます」

 韓国の商業映画の平均製作費は昨年、56億ウォン(約5億4000万円)だった。大作なら100億ウォン(約9億7000万円)を軽く越えるが、それでもハリウッド映画の10分の1にもならない。予算が少ないと制作現場は委縮するしかない。予算に合わせて人を雇い、機器を使うからだ。依然として多くの制作現場スタッフがサービス残業や情熱という名の無償労働を強いられているのも、結局はカネがないからだ。

 「いくら作品が良くても限界があると思います。俳優たちが海外進出をして交流しなければ、大勢の皆さんが韓国映画を見たり、韓国の映画市場が大きくなったりできません。スタッフが人間的な待遇を受けて仕事できる環境を作るためにも、俳優たちは海外に行くべきだと思います」

 カン・ドンウォンは司祭服を脱ぐとすぐに囚人服を着た。3日に公開された『検事外伝』(イ・イルヒョン監督)でのことだ。彼が演じるハン・チウォンは前科9犯の詐欺師。殺人の罪をかぶせられたピョン・ジェウク検事の無実を証明するため、優れた「アバター」(?)になって作戦を実行する。前科9犯の詐欺師らしく、明晰(めいせき)な頭脳と抜群のビジュアルで検事になりすましたり、暴力団員になりすましたりして意のままに人を惑わす。 「コングリッシュ」(韓国人が話す英語)に流行のダンスまで織り込み、しっかりとコミカルな演技もこなしている。

 「監督や脚本家は台本を書く時が一番楽しいと言いますが、俳優は役作りをする時が一番楽しいものです。役作りをするということは、俳優にとって新しいものを作り出すクリエイティブな作業じゃないですか。僕の場合は、だから作品ごとに違うキャラクターになるよう目指すのかもしれません。ハン・チウォンも役作りがすごく楽しかった。ダンスもそうだし、恥ずかしいことも多かったけれども、楽しく撮影できた分、観客の皆さんも楽しく見ることができたらいいですね」

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