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秋の香り運ぶ菊のうたげ「馬山菊まつり」
紅葉と菊の香りが深まる11月。冬が目の前に迫ったこの時期、秋の香りがいっぱいの菊まつり会場へ行ってみよう。韓国では今、各地で菊まつりが真っ盛りだ。中でも、たった1種類の花のフェスティバルで世界最大規模を誇る「馬山菊まつり」は有名だ。
2010年に鎮海と共に慶尚南道昌原市に統合された馬山。馬山にある6農家が韓国で初めて菊の商業栽培を開始したということで、まさにここは韓国の菊栽培の歴史の原点だ。菊の本場にふさわしく、菊栽培に適した土の質や温暖な気候と条件がそろっているのも、馬山菊まつりが名高い理由だ。評判通り、ロマンいっぱいの菊の供宴に出遅れないよう、急いで会場を訪れた。
花が半分、人が半分。午前中から菊まつり会場は来場者でにぎわっていた。中に入ると、今にも飛び立ちそうなほど力強く翼を広げた菊のカモメが目に入ってきた。今年はカモメの一種「ウミネコ」をかたどった菊のオブジェ「カモメの夢」が入場客を出迎えてくれる。 このほか、「愛の行進」「菊の尾根」「子ども村」「菊の迷路庭園」「希望祈願塔」など11のテーマによる展示物が菊まつり会場に活気を与えている。
今年も登場した「多輪大作」は、2009年に1315輪が満開になり、英国のギネスワールドレコーズ(GWR)から「世界最大の菊の作品」と認められて以来、毎年記録を更新している。今年の「多輪大作」は、昨年記録した1507輪を上回る1515輪で、来場者の注目を集めている。 「多輪大作」とは、1株の菊が四方に枝分かれし、それぞれの枝先に花が開くようにした園芸作品のことだ。忍耐の末に花を咲かせる「多輪大作」の前には、健康・合格・結婚などであやかろうと人々が大勢集まる。
一方、会場内に設置されている小さなステージでは、ハロウィーンだった先月31日夕に「恐怖の舞踏会」が開かれた。このイベントは観客参加型の企画で、お化けなどに扮(ふん)した参加者たちが不気味な表情を見せて盛り上がった。 さらに、この日夜8時30分から20分間は「ミュージカル花火ショー」が繰り広げられた。一発、また一発と上がった花火がその次の瞬間には同時多発的にあちこちで花開くなど、夜空を彩る美しいイベントだった。
多彩なイベントや観光スポットを楽しんだ後は、「アグチム(アンコウの辛蒸し煮)通り」で馬山名物のかみごたえあるアグチムを堪能してほしい。汁がたっぷりあるので「水トッポッキ(もちの唐辛子みそいため)」とも呼ばれている倉洞芸術村の「6・25トッポッキ」も、馬山に来たら外せない。菊まつりは8日までなので、観光の際は周辺の観光スポットやグルメもぜひ一緒に楽しんでみよう。