BIGBANGやEXO、少女時代ができないことをIUが成し遂げている。10月23日にリリースされたIUのニューミニアルバム「CHAT-SHIRE」は、八つの音源チャートで1位になった。発売当日、ニューアルバム収録曲7曲が各チャートの1-7位に。また、今年8月にバラエティー番組『無限挑戦』(MBC)の「嶺東高速道路歌謡祭」で歌った「レオン」は18日間、8チャートで1位をキープした。

 IUは大手芸能プロダクションの所属ではなく、並はずれて美しいというわけでもない。最近、恋人がいることを公表した。しかし、厳しい韓国のアイドル市場で生き残り、トップスターとして君臨している。

■より上手くできないなら違う路線で

 多くのアイドルは無名のまま消えていく。アイドルブームが吹き荒れた2008年以降、毎年平均30組ほどがデビューしているが、そのうちスターになれるのは2、3組だけ。IUも2008年にデビュー後、10年に「Good Day」がヒットするまで、ほぼ無名に近かった。

 1stアルバムの反応がよくなかったことを受け、所属事務所は09年からマーケティング戦略を変更。IUは音楽番組でギターを手に歌い始めた。ユーチューブなどにも、ギターを手に、ポップソングなどを編曲して歌う動画をアップした。大衆音楽評論家のキム・ジャッカ氏は「刺激的なダンスや似たり寄ったりの歌唱力のアイドルに飽きた10-20代の間で、IUが徐々に『ギターを弾く実力派アイドル』として定着し始めたのもそのころ」と語った。安定感のある歌唱力、優れた声色も、そうしたイメージづくりに一躍買った。ほかのガールグループのように群舞を踊りながらダンス音楽を披露するわけにいかず、完全に別の道を進むことにしたのが功を奏したというわけだ。その後、CNBLUEのように、最初から実力派バンドのコンセプトでイメージを構築しようというアイドルが出始めた。

 
■スキャンダル克服:できるだけ回避せよ

 IUにとって最大の危機は2012年に訪れた。男性アイドルとのスキャンダルが浮上したのだ。寝室のような場所で撮った写真が流出。IUと所属事務所は特に釈明しなかった。トークショーをはじめバラエティー番組にほとんど出演しなくなったのもこのときから。最近、人気バンド「チャン・ギハと顔たち」のリーダー、チャン・ギハとの交際が報じられたときは、すぐにこれを認めた。ニューアルバム発売をめぐっては「コンサート以外の活動を行う計画はない」と言い切った。交際の話が出てきそうなバラエティー番組への出演、インタビューなどは一切ないというわけだ。

■長続きするジャンルを選べ

 人気アイドルの寿命はだいたい5、6年。寿命が短いのは、主なジャンルがダンス音楽だからだ。強烈なダンスや華やかなビジュアルで勝負するのは、若いアイドルほど有利。IUはバラードやミディアムテンポのソフトな曲を魅力的に歌いこなす能力を持っている。ダンス音楽とは異なり、静かな曲は長い間愛される。2年前に発表した自作曲「金曜日に会いましょう」が代表的といえるだろう。この曲は94週間にわたり、音楽チャートMelonで100位以内にとどまっていた。歴代最長記録だ。「Good Day」などIUのヒット曲の歌詞を手掛けた作詞家キム・イナは「静かな曲ほど歌詞が重要だが、IUは歌詞の意味を解釈し伝達する能力が卓越している。さらに、プロの作詞家に劣らぬほど作詞の能力が優れているのも強み」と語った。

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