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行き過ぎ「ファン」に泣かされる韓国のアイドルたち
9日、バラエティー番組『無限挑戦』(MBC)にアイドルグループZE:Aのメンバー、ファン・グァンヒが初めて出演すると、インターネットの視聴者掲示板やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)にはあっという間に「ファン・グァンヒの笑い声も聞きたくない」「好感度低いのに上げようと苦労している」など中傷する書き込みが100件以上アップされた。ファン・グァンヒは飲酒運転で降板したお笑いタレント、ノ・ホンチョルの代わりにレギュラー出演者になった。しかし、同番組のマニア的なファンを中心に反対の声が高まっている。
問題は、反対の理由が不明確だということだ。「反対だ」という書き込みを読むと、「『無限挑戦』に合わない」「整形男で好感度低い」といったイメージによる批判や個人攻撃が中心だった。
あるポータルサイトで9000人近くが参加した出演反対署名運動には「アイドルのキム・イェウォン(元Jewelry)と同じ所属事務所だから反対する」という理由が掲げられていた。3月に女優イ・テイムと番組収録中に言い争い、暴言騒動が起こったことについてうその弁明をしたキム・イェウォンとファン・グァンヒが同じ事務所に所属しているということだけで問題視しているのだ。MBC芸能局のプロデューサーは「『無限挑戦』の長年のファンは(一般の視聴者と)違う点があるが、今回のファン・グァンヒ出演反対は、明確な理由がなく署名運動までしていることから度が過ぎる」と言った。
俳優チョ・スンウは先日、自身のファン掲示板の一部会員に「あのファン掲示板では活動時になぜ悪口を言うのか。(それなら)あの掲示板(で活動)をやってはだめだ」と直接的な言葉で非難した。出演ミュージカルのチケット配分問題などでこのファン掲示板の会員たちがチョ・スンウやほかのファンにひどい言葉を書き込んだため、チョ・スンウ自身がこれを問題視したものだ。結局、このファン掲示板の会員たちは「自浄できていなかった」と謝罪文を出した。
ファンの行き過ぎた行動が問題になるのは、芸能界の慢性的な弊害の一つだ。アイドルグループが宿泊している施設への無断侵入や乗っている車の位置追跡はもちろん、ホテルの部屋を盗聴したり、親族の結婚式に乱入することも辞さない。アイドルや所属事務所はほとんどお手上げ状態だ。大手芸能事務所SMエンターテインメントの関係者は「熱狂的ファンはほとんどが未成年者の上、告訴などの強い措置はアイドルのイメージに傷が付き、ファンを敵に回す可能性もある」と言った。
SNSやスマートフォンなどの技術の発達で、以前なら不可能だったストーカー並みの行動を取ったり、ひぼう中傷を瞬時に広めることが可能になったりしており、アイドルとファンの間の確執はますます深刻になるだろうとの声もある。文化評論家のキム・ホンシク氏は「アイドル側が立ち上がり、ファンたちの過度の行動に原則通り対応する慣例を作っていく必要がある」と話している。