デビューから約20年たったユ・ジュンサンとチャ・スンウォン。それぞれ演技を始めたのが1995年、1997年。一つの分野に長い間従事し、技術が優れていたり、努力した二人は、ベテランと言うにふさわしい。

 最近、月火ドラマが興味深い。ユ・ジュンサン、チャ・スンウォンのおかげだ。ユ・ジュンサンは『風の便りに聞いた』(SBS)、チャ・スンウォンは『華政』(MBC)に出演中。40代半ばで1歳違いの二人の対決に、関心が集まっている。

■ユ・ジュンサン、こんな演技は初めて

 『風の便りに聞いた』で見せるユ・ジュンサンの姿は、あまり馴染みがない。序盤に視聴率や話題性がいまひとつだったとき、ユ・ジュンサン、ユ・ホジョンら中堅俳優のキャラクターのせいにする声もあった。脚本家チョン・ソンジュ、アン・パンソク監督という安定感あるコンビがこれまで息を合わせてきた俳優たちと異なる部分があったからだ。ユ・ジュンサンは「アン・パンソク・ファミリー」といわれるパク・ヒョックォン、チャン・ヒョンソン、キム・ヒエらと比較された。

 忘却の動物。適応の鬼才でもある。回を重ねるたびに、好演が光るユ・ジュンサンのキャラクターにハマっていった。ユ・ジュンサンは論理の帝王、儀式の達人と呼ばれるハン・ジョンホというキャラクターにすっかりなり切っていた。絶対違法行為はしないという魅力的な紳士をコンセプトにしたハン・ジョンホは、最近「密会」に夢中だ。息子と毎朝「君主論」を読み、M字型脱毛を気にするハン・ジョンホは、これまでのユ・ジュンサンにはなかった目新しい人物で、一段と魅力的に感じる。

 安定した演技で「全盛期のポジション」をキープしているユ・ジュンサン。その中心には挑戦意識がある。『風の便りに聞いた』をはじめ、映画『ポイントブランク-標的にされた男-』『ヘウォンの恋愛日記』『トッチ-終わりなき絶望-』、そしてドラマ『棚ぼたのあなた』などユ・ジュンサンの作品には新鮮さがにじみ出ていた。俳優であると同時に家長、夫、先輩、教授などさまざまな場所でそれぞれの役割を果たしているユ・ジュンサンの姿は、ベテランの全盛期を常に更新する原動力となっている。

■チャ・スンウォン、こんな魅力があるとは

 俗っぽく言うと、チャ・スンウォンのここ1、2年は「タマネギ」のようだった。剥いても剥いても新しい事実や魅力が出てきた。よい事もそうでない事もあったが、結果的には「肯定の力」となって帰ってきた。

 ここ数年は世間に「コミカルな演技専門の俳優」と認識されている。各映画でチャ・スンウォンが見せた役へのなりきり度はすごかった。映画『ハイヒールの男』『シークレット』など従来のイメージを一掃した演技でも、観客に信頼を与えた。1988年にモデルとしてデビューし、1997年に『ホリデー・イン・ソウル』で演技の世界に足を踏み入れたチャ・スンウォンは、「芸能人」としても優れていた。最近はモデル出身、あるいはモデル兼俳優たちが増えてきたが、多くの新人がチャ・スンウォンを手本に挙げている。

 熱い父性愛で「ステキな人」に浮上したチャ・スンウォンは、リアリティー番組『三度の食事』漁村編(tvN)に出演し、その真価を発揮した。小言もおせっかいも多い「おばさん」のような性格のため、「チャジュンマ(チャ+アジュンマ〈おばさんの意〉)」というニックネームも付いた。時にはユ・ヘジンの本心を知りこっそり涙を流す、情に厚い男の姿も見せた。ソン・ホジュン、チョン・ウら後輩はもちろん、犬の「サンチェ」や猫の「ポル」など動物までわが子のように面倒を見る心遣いに、女性視聴者は魅了された。

 多少出しゃばりなイメージを最後に残したチャ・スンウォンは、重みのある時代劇に出演し、再びイメージチェンジを試みた。『華政』は、混沌(こんとん)とした朝鮮王朝時代、政界の群像を通じ、人間が持つ権力欲や嫉妬(しっと)を描くドラマ。これまで多くの俳優が演じてきた朝鮮第15代王・光海君役を演じるチャ・スンウォンは、第2話で同作を月火ドラマのうち視聴率1位に押し上げた主役となった。光海君が王位に就く過程を、印象的な力強いまなざしから怒りの絶叫まで、繊細な内面の演技で表現している。

 『華政』の関係者は「チャ・スンウォンは一人でいるときはもちろん、イ・ソンミン、シン・ウンジョン、チョン・ウンイン、キム・ヨジンら共演者たちとの絡みでも、相性抜群の演技を見せている。男女の性的な魅力を表現する『セクシー』という言葉を、チャ・スンウォンは演技で見せてくれるだろう」と語った。

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