旅をしたいと思ったとき、いつも悩んでしまうのは「どこに」「どうやって」行くか、ということ。こうした悩みを一気に解決してくれるのが「シティツアー・バス」だ。

 多くの都市でシティツアー・バスが企画・運営されているが、一般的なツアーとは一味違った旅行が楽しめる場所がある。それは軍港の街・昌原(慶尚南道昌原市)だ。昌原シティツアーは軍港を中心に歴史・文化・自然が楽しめるコースで構成されている。

昌原は歴史・文化・自然に恵まれたパーフェクトな観光地。

 2011年7月に始まった昌原シティツアーは、さまざまなコースとリーズナブルな料金、ツアーガイドの説明などで人気だ。14年に昌原シティツアーを利用した旅行客は約8000人で、これは月に約670人が利用している計算になる。

 昌原の歴史が分かるコースとして代表的なのは「昌原の家」だ。ここは由緒正しい「順興安氏」の私邸だった建物で、昌原には残り少ない韓屋(韓国伝統家屋)だ。

昌原シティツアー・バスに乗って見学した倉洞芸術村の様子。

 また、「倉洞芸術村」は1950-60年代の文化・芸術の中心地で、懐かしさでいっぱいになる。倉洞は時代と共に寂れていったが、ここ数年でアーティストたちが街に戻り、よみがえった。現在50以上のアトリエがあり、このうち12のアトリエは観光客がアート制作を体験できるようになっている。

 昌原の自然が楽しめるコースには「注南貯水池」がある。長さ4キロ、幅2キロの大きな湖には数多くの渡り鳥がやって来る。貯水池を中心とする自然公園はとても広く、生態学習館では自転車を無料で貸し出しており、これに乗って見学するのがオススメだ。

年間を通して数多くの渡り鳥がやって来る注南貯水池。

 シティツアーでは、普段はなかなかできない特別な体験もできる。海軍基地司令部や海軍士官学校が見学できる「軍港めぐりコース」はほかの都市ではできない貴重な体験になること間違いなし。だが、このコースは手続上の理由から出発の5日前までに予約する必要があり、実施は20人以上なのでご注意を。

 さらに、シティツアーでは『奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い-』や『朝鮮ガンマン』など数々の人気ドラマが撮影された「海洋ドラマ・セット・スタジオ」や世界的な彫刻家・文信(ムン・シン)のアート精神が息づく「文信美術館」、青い海とソーラー・タワーが調和を織りなす「海洋公園」へも行ける。

シティツアーで行くことができる昌原の主な観光スポット。

 シティツアー・バスには1日コース7種と半日コース3種があり、スケジュールに合わせて観光スポットをめぐることができる。全10コースは予約制で、5人以上で出発となる。

 昌原シティツアーの料金は1日コースで大人8000ウォン(約880円)、小中学生・軍人・高齢者5000ウォン(約550円)だ。半日コースは大人5000ウォン、小中学生・軍人・高齢者3000ウォン(約330円)。さらに、韓国高速鉄道(KTX)や沿岸クルーズの当日乗車券を持っていれば20%割引になるなど、さまざまな割引特典がある。

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