▲写真提供=NEW、露出シーンが多いが、ソン・スンホンは監督から「体を作れ」と言われたことがないそうだ。「撮影前『ちょっとおなかが出たままベッドシーンを撮影したらどうなるのかな』と想像してみた。でも…まだそこまではできそうにない」

 キム・ジンピョンはベトナム戦争で活躍して帰国、部隊から信頼されている大佐だ。将軍の娘である妻は、キム・ジンピョンの昇進のため内助に徹する。仕事も妻との夫婦生活も機械的にこなしてきた。だがある日、自身の部下となった大尉の妻のとりこになる。「熱病」のように始まったキム・ジンピョンの初恋は、徐々に「中毒」のような執着へと変わっていく。『人間中毒』(キム・テウ監督、14日公開)というタイトルは至極ストレートだ。

 ソン・スンホン(37)は「10年前ならキム・ジンピョン役は引き受けなかったのでは。『人妻を愛する既婚者…こんな役をあえて僕がすべきなのだろうか』と思っただろう。若い男女のラブストーリーだけでも役はいっぱいあったから」と語った。10年前の2004年、ソン・スンホンは韓流スターの頂点に立っていた。映画『あいつは格好よかった』で人気者の高校生を演じたころだ。同年11月に入隊したとき、朝鮮日報に江原道春川市第102補充隊で見送る中国のファンや日本のファンの写真が掲載された。ソン・スンホンの言葉の通り、あのころなら尻を出して一回りも若い人妻と不倫するキム・ジンピョンのような役は引き受けなかっただろう。「ちょうどあのころ『運命の女』(2002年制作)という米国の映画を見た。10年前の僕は、ダイアン・レインの不倫相手だった若くてハンサムなフランス人青年の役をやりたいと思った」

 この10年間、兵役期間を除いてソン・スンホンはドラマや映画にコンスタントに出演してきた。しかし、年末のテレビ局の授賞式でキム・ミョンミンと共に演技大賞を受賞したとき物議を醸したほど、演技については評判が良くなかった。「僕はトレンディー俳優としてデビューした。そのころ、先輩たちに『俳優になりなさい』と言われたのだが、僕は『もう俳優をしているのに、なんで俳優になれって言うんだろう』と思っていた。演技ではなく別の分野(レストラン経営)にも手を出したりして。でも、別の仕事をするのはエネルギーの無駄だということに気付いた。『俳優を一生するんじゃないかな』っていう気持ちになった。いい年を重ねる俳優にならなければ。だから、一つの演技やイメージに縛られることなく、さまざまな面を見てもらいたくなった。『人間中毒』を撮影したところ、以前なら来なかった卑怯で毒のある役のオファーがたくさん舞い込んできた」

 『人間中毒』は『春香秘伝 The Servant 房子伝』『恋の罠-淫乱書生-』などの「19禁(19歳未満観賞禁止)映画」で知られるキム・デウ監督の作品だ。テレビの芸能ニュース番組や記者懇談会ではソン・スンホンの露出に関心が寄せられた。「面白いのは、自分が出る映画だというのに、(19禁映画で有名な)監督に露出があるかどうか、あるならどの程度の露出なのか全然聞かなかったということ。キム・ジンピョンのように一人の女性をこれほどまでに愛する男の役というのが良かった。それだけ。でも、ベッドシーンを撮影したときは少し緊張して震えた。カメラ監督の助手二人も女性だったので…」

 ソン・スンホンは自分が演じたキム・ジンピョンを「枯れていく木」に例えた。「枯れていくばかりだったのに、女が水をやってよみがえらせた。キム・ジンピョンにとってはその女が全てということ」と語った。キム・ジンピョンは好きな女を手にするためなら卑怯な行為もいとわない。そんなことをしておきながら「君に会えなかったら息が詰まりそう」と女に言う。「そんな役に感情移入できるのか」と聞くと、ソン・スンホンの太い眉がはね上った。「え? そんな経験あるのでは。恋に落ちて、息が詰まりそうなくらい苦しい経験。当たり前のことだろう」

◆ソン・スンホン、グラビアギャラリー

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