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『奇皇后』で再注目されたチ・チャンウク
2013年10月28日にスタートしてからずっと視聴率20%以上を記録し、全51話で終了したドラマ『奇皇后』。
同作で主演を務めた女優ハ・ジウォンの圧倒的な存在感があったにもかかわらず、回を重ねるごとに、緻密で繊細な感情を丁寧に表現しながら自身のキャラクターを魅力的に演じて好評を博し、新たに注目された俳優がいる。その俳優とは、チ・チャンウクだ。
1987年7月5日にソウルで生まれたチ・チャンウクは、2005年に檀国大学公演映画学部に入学し、本格的に演技の勉強を始めた。
大学生活を送りながら出演した数本の短編映画を通じて演技力を磨いてきたチ・チャンウクは2006年、短編映画『デイズ』で本格デビュー。その後、映画『スリーピングビューティー』(2007年)、ドラマ『僕は君にほれた』(2008年)、ドラマ『ソル薬局の息子たち』(2009年)、ドラマ『ヒーロー』(2009年)、映画『コ死~2番目の話:教育実習』(2010年)に出演したが、大きな注目を浴びることはなかった。
そんなチ・チャンウクに2010年秋、チャンスが舞い込んできた。それが帯ドラマ『笑ってトンヘ』(KBS第1)の主役の座だった。新人俳優が150話を超える帯ドラマの主人公を演じるのは珍しいことで、当時大きな話題となった。
平均視聴率40%を記録し、多くの視聴者に愛された同ドラマで、知的障害のある母親の面倒を見ながら、ショートトラック米国代表選手、料理人、ホテル経営者として、能力のある男トンヘを演じたチ・チャンウク。帯ドラマの主な視聴層である40-50代女性たちのハートをキャッチして「母親たちの大統領」に浮上、「国民の息子」という称号と人気を得た。
このような人気に後押しされたチ・チャンウクは、ドラマ『ペク・ドンス』(2011年)の主人公に起用され、俳優として順調な歩みを見せるかに思われた。ところが、その後出演したドラマ『僕らのイケメン青果店』(2011年)、『蒼のピアニスト』(2012年)が相次いで低視聴率で終了。
しかし、チ・チャンウクは委縮することなく、ミュージカル『Jack the Ripper』(2013年)、『あの日々』(2013年)、『兄弟は勇敢だった?!』(2013年)に立て続けに出演。ミュージカルという新しい分野に挑戦し再び演技力を磨き、『あの日々』で「第7回ザ・ミュージカル・アワード」新人男優賞を受賞し、存在感を示した。
そんなチ・チャンウクに再びチャンスが巡ってきた。高麗出身の女性が元の支配者として君臨するまでの愛と戦いを描いたドラマ『奇皇后』で、タファン役にキャスティングされたチ・チャンウクは、韓国を代表する演技派女優ハ・ジウォンと共演することになった。
ドラマ序盤、澄んだまなざしで愛する女性キ・スンニャン(ハ・ジウォン)だけを見詰める世間知らずの皇帝タファン役を完璧に演じたチ・チャンウクは、物語が進むにつれ、狂気に満ちていく姿を切々と表現。それに加え、愛しているが決して手に入れられないキ・スンニャンへの切ない愛を、ピュアな愛と嫉妬という二つの形で表現し、視聴者をくぎ付けにした。
タファンの歩みに視聴者たちが共感できたのは、チ・チャンウクの熱演があったからだ。回を重ねるごとに、脂の乗った演技で視聴者の心を揺さぶったチ・チャンウク演じるタファンは、フェイスオフを繰り返すような強烈なイメージチェンジを見せ、「チ・チャンウクの再発見」「演技の上手い俳優を一人見つけた」と言われた。
2014年4月29日、『奇皇后』は最終話28.7%の視聴率を記録し、大団円のうちに幕を閉じた。
今年27歳となるチ・チャンウクの俳優人生は、『奇皇后』の前と後に分けられることになった。
◆チ・チャンウク、グラビアギャラリー